利用者インタビュー

―まずサスティナブル・テクノロジー株式会社の研究開発について教えて下さい。

酸化チタンをベースにした複合金属材料を用いた機能化技術を開発し、光触媒や静電反撥技術・材料の開発・製造を行っています。これらの材料はすでに実用化されており、有楽町のビックカメラの壁にも使われています。

―御社の製品である、静電反撥材について詳しく教えて下さい。

酸化チタンに無機材料・金属を複合化し、絶縁性の表面に100nm前後の薄膜を形成すると、表面の電荷が固定される事がわかりました。このことを発表したときには、大手メーカーの方たちには相手にされなかったです。光触媒とはご存知の通り、表面に有機物(汚れ)が付着し、そこに光が当たる事で分解が起こり、水洗することで汚れが落ちるという仕組みです。しかし、この材料は表面電荷があるため汚れが付着することがありません。これはビックカメラの壁を見ても一目瞭然です。

―もともと、光触媒や化学材料のご研究をされていたのでしょうか?

いえ、全く違います。元は建築家でした。たまたまご縁がありこの嬉野市の陶芸家の工房を手掛けた事がきっかけで、酸化チタン材料と出会うことになります。
こちらの方で、酸化チタンの分散剤の研究をされている方がいらっしゃいまして、手伝いをすることがきっかけで、この地に会社を作る事になりました。

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―大手メーカーや大学の研究者ですら発見できなかった材料・特性をどのように発見されたのでしょうか?

試行錯誤はもちろんしました。初めのころ、光触媒技術材料をガラスへの塗布材を開発していた際、シリコン系ゴム成分との相性が非常に悪く、客先からクレームを受けた事がありました。
建築の設計も同様ですが、その現象が最も理想的に稼働している条件をイメージする。その機能条件を一つ一つ見つけ出して光触媒の欠点を逆の角度から全体を見直し、結果的に正反対の機序をもつ静電荷固定化技術の発見に繋げました。

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―専門家ではないことがプラスに働いたのですね。

一つ一つ課題をクリアにしていく時に、先入観がないことが選択の幅を広げることには意味があったともいえますが、その道の専門家には、なかなか機能原理・現象のデータの信用を簡単には勝ち取る事はできません。
そこで現在、ナノテクノロジープラットフォームの信州大学と共同研究を行い、自身の開発した材料の特性について、科学的な検証を行っているところです。
特に、表面に電荷が帯電している、という現象をなんとか可視化できないかと思っています。信州大学の清水先生には試行錯誤してもらいながら、材料特性の評価なども協力していただいています。ただ、まだ思ったようなデータが出ていないので。引き続き検討を続けていきたいです。

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その「土地」の気を大切にする

―この嬉野の地というのには、思い入れがあったのでしょうか?

思い入れではありませんが、この地は元々陶芸が盛んで、北部九州地区は「無機物」にはとても強い地域でした。また、分散剤を作るときに大量に必要な水源にも恵まれています。
元々の土地にある物を生かし、地域の地勢や環境条件を尊重した結果、この嬉野に事業所を構えたわけです。
私は生まれが京都の嵐山です。小さなころから、その土地の「気」というものを
感じていました。嵐山という土地は、山・川・神社仏閣という独特の地勢や環境があり、特色のある空間です。
そのような気を感じる事を今も大切にしています。

―最後に、緒方社長のこれから目指す事を教えて下さい。

私の開発した新しい材料、静電反撥材を多くの方に知ってもらうこと。人にはそれぞれの物の見方があります。ぜひ、異なる視点・感性からこの機能材料を見て頂き、新しい活用法やアイディアを世界に広げて欲しいと思います。

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この研究に関するお問い合わせ:信州大学

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