利用者インタビュー

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―先生のもともとのご研究の専門と、現在の研究についてお聞かせ下さい

元々は植物病理学が専門でした。この学問分野の人の考え方は、カビ・ウイルス・バクテリアなどの植物に悪さをする奴らを徹底的に研究するといったものです。目的地は病気にならない植物を作ることですが、基本的には、カビやウイルスそのものがとにかく好きな人がやっている学問です。でも僕は悪者とされているウイルスたちに、「増えたきゃ増えろ」と思い研究を始めました。

―植物に興味があったということですか?

畑が年々減っていくのを何とかしたいと思っていました。農作物がもし薬に化けたら大儲けできるなと思って、「もうかる植物」を作ろうと思ったんです。

―畑を残したいという思いもあったんですね

最近はアメリカでも分子農業という言葉が流行っているぐらいですが、20代前半のころ、僕はそれに気が付いたので、今この研究をしているわけです。

―先生の発見したタバコ培養細胞は何がすごいんでしょうか?

一般的にタンパク質は大腸菌や酵母で作りますが、それらではすべてのタンパク質を作り出すことはできません。でも、タバコ培養細胞を用いれば、今まで作ることができなかったタンパク質をつくることができます。これは非常に画期的なことです。

―どんなタンパク質も作れるというのは高い需要があるということでしょうか?

そうです。しかも大量に作ることができます。医薬やバイオの研究者は何をするにも必ずタンパク質が必要となります。大腸菌や酵母で作れない難しいタンパク質は未知の世界として大きな可能性を秘めていますが、その問題が解決するわけです。

―世界中からの注目度も相当高いのでしょうか?

大々的に広報している訳ではないですが、海外の研究者からのタンパク質合成の依頼や製薬会社からの依頼は受けています。遺伝子配列を伝えればオーダーメイドで作ることができます。

―具体的に事業化につながるような研究は始まっているのでしょうか?

止血剤であるトロンビンの研究やPCRの改良など、近いうちに報告できる課題をいくつか進めています。そのほか、企業から直接研究費を頂き進めているものもあります。

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JAIST 大木先生との出会いがナノプラ利用のキッカケに

―お二人は以前からの知り合いだったのでしょうか?

大木:2006年くらいにJSTの特許説明会でお会いしたのがきっかけです。単純におもしろい研究だなと思い、声を掛けました。その後、NMRサンプル用のタンパク質の合成を依頼してからのご縁になります。

―ナノプラの感想を率直に教えて下さい

我々のような小さな地方大で大型のNMRが買えるはずがありません。ですが、ナノプラは非常に安価に、そして技術職員のサポート付で装置が使えます。プリウスみたいなものです。走っているのに気が付かないくらい静かでガソリンも使わない(笑)
正直あまり周りに教えたくないですね。

―そんな精力的に研究をされている森先生ですが、プライベートはどんな感じでしょうか?

大木「森先生からのデータはエクセルではなく生の数字がメールに並んでいます(笑)」

昔病気をしていた時期があり、研究の王道からあっさり外れました。今でも長距離の移動は不得意でパソコンも全然触れません。メールも4行が限界です(笑)
石川県農業短期大学の頃には、隣の研究室の試薬を勝手に使えるような土壌の形成していました(※一応共同研究だったそうです…)。
自分ひとりでできないからこそ、周りの人と協力しながら研究を進めるスタイルを一貫しています。

ウイルスのように、弱い者が実は牛耳っているっていうのがいい

―先生の目指す研究者とは?

植物だけで生きているように見せかけて、実は遺伝子なんかの一番大事な部分はウイルスが牛耳っている。そんな研究者でありたいです。

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この研究に関するお問い合わせ:北陸先端科学技術大学院大学

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