名古屋大学
2012年度 成果事例
インクジェットインジェクターによるDNAドロプレットのマイクロデバイス導入技術と高集積化DNA解析技術開発
【研究目的】
マイクロ流体デバイスにおけるDNA解析の集積化には、微量なDNA溶液をマイクロ流路に導入する技術開発が喫緊の課題でした。本支援では、クラスターテクノロジー(株)が開発したインクジェットインジェクター内で安定度の高いDNAの合成を行い、インクジェットインジェクターから、DNA溶液を安定にドロプレット化する方法を確立するとともに、DNAドロプレットを導入できる新規マイクロ流体デバイス開発と高集積化DNA解析を目指しました。
【成 果】
ピエゾアクチュエーターによるインクジェットインジェクターによるDNAドロプレット形成に最適なDNA分子の合成およびDNA溶液調製を行いました。本DNA溶液において、DNAドロプレット形成条件を最適化し、DNAドロプレット導入に最適なマイクロ流体デバイス構造の設計と開発を行いました。本マイクロ流体デバイスとインクジェットインジェクターの融合により、DNA解析に必要なDNAドロプレットは20 pLと従来より数万分の1に低減するとともに、DNA解析集積化を高度化することに成功しました。また、解析速度も数倍に高速化しました。本成果は、アメリカ化学会 Anal. Chem., 2012, 84, 9282.として出版されました。
図1.インクジェットインジェクタ-とマイクロ流体デバイスによる集積化DNA解析技術