名古屋大学

2012年度 成果事例

熱可塑性光硬化性樹脂による自律型シーリング マイクロ化学・生物反応チャンバー開発
aUniversity of Twente, b名古屋大学大学院工学研究科
Albert van den Berga,内藤豊裕b,安井隆雄b,加地範匡b,馬場嘉信b

【研究目的】
マイクロチップ上に多くの機能を集積化するLab on a Chipの研究は世界中で進展していますが、多機能集積化のためには、バルブ、ポンプ、化学・生物反応チャンバーなどのマイクロ化と集積化が必要で、非常に複雑な構造を構築する必要がありました。本研究では、単純な構造で多機能集積化可能な要素技術開発を目指しました。

【成  果】
本研究では、熱可塑性を有する光硬化性樹脂の特性を生かして、シートラミネーション法によるマイクロ構造構築技術開発に成功しました。さらに、この方法により、温度の上昇・下降サイクリングにより、自律的にシーリングを実現するマイクロチャンバーを開発し、遺伝子増幅などの生化学反応を効率良く達成できるマイクロチャンバー開発に成功しました。さらに、本成果によりLab on a Chipの多機能集積化をより単純な構造で達成することに成功しました。本成果は、英国王立化学会 Lab on a Chip, 2013, 13, 452.として出版されました。


図1.自律型シーリングマイクロチャンバーの構造(左)および温度変化のみでシーリングした反応チャンバー(右)
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