九州大学

2012年度 成果事例

CNT複合体の膜形成技術の開発
a東レ株式会社,b九州大学
今津直樹a, 渡邊修a, 鈴木基之a, 藤ヶ谷剛彦b, 中嶋直敏b

【研究目的】
透明導電フィルムは、ゲーム機、スマートフォンやタブレット端末などのタッチパネル用電極部材として、その市場が急拡大を続けている。さらに、今後は次世代ディスプレイと有望視されている、フレキシブル性を有した電子ペーパー等に適用可能な透明導電電極が求められている。CNTは、フレキシブル性が要求される次世代ディスプレイ用透明導電電極の創出において、既存無機材料ITOが抱える課題を解決できる。そこで、本研究では、CNTフィルムの導電性を、既存材料ITO並みに向上させることを狙い、顕微鏡・分光測定などの多角的な手法を用いた詳細な分析による、CNT複合体の膜形成技術の開発を目的とする。

【成  果】
我々は、電子書籍や電子看板等の電子ペーパー用途向けにCNT透明導電フィルムを開発し、量産体制を整えた。標準グレード(透過率90%、表面抵抗値500Ω/□)、高透明グレード(透過率92%、表面抵抗値2500Ω/□)の2種類のフィルムが作成可能である。またCNTフィルムの大きな特徴である屈曲や伸びに強いフレキシブル性を活かした新規用途へ向けた検討も進めている。

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