北陸先端科学技術大学院大学
2012年度 成果事例
Niベース合金ナノ粒子の形態・構造・組成分布、結合状態などに関する分析
【研究目的】
滋賀県立大工学部材料科学科では、Ni-Pt-Pd三元系のナノ粒子の合成に成功し、XRDやEXAFSなどを用いて構造解析を行っているが、原子レベルでの構造は不明であった。そこで本研究課題では、化学合成によって得られたNiPtPdナノ粒子の微細構造を調べるため、球面収差補正付STEM(JEOL JEM-ARM200F)(図1)を用いて、HAADF-STEMイメージングとEDS元素マッピングを行った。
【成 果】
その結果、NiPtPdナノ粒子は多面体形状で、稜線や頂点にPtが偏析しており、中心がPdリッチ、周辺がNiリッチであるような構造を有していることが明らかとなった(図2)。この構造情報は、NiPtPdナノ粒子の生成機構を理解する上で重要なだけでなく、NiPtPdナノ粒子の触媒活性を説明するために極めて有用であった。
図1 球面収差補正付STEM
図2 NiPtPdナノ粒子のHAADF-STEM像と元素マッピング像