利用報告書

新たなレーザー胆石治療法開発のための色素系胆石の調査
水本朔, 李黎明
千歳科学技術大学

課題番号 :S-17-CT-0026
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :新たなレーザー胆石治療法開発のための色素系胆石の調査
Program Title (English) :Investigation of pigment gallstones for the development of lithotripsy for gallstones.
利用者名(日本語) :水本朔, 李黎明
Username (English) :Hajime Mizumoto, Liming Li
所属名(日本語) :千歳科学技術大学
Affiliation (English) :Chitose Institute of Science and Technology

1.概要(Summary)
日本人の胆石保有率は10%であり、胆石症は加齢とともに増加する。胆石は、胆管結石と胆嚢結石の二つに分類され、胆管結石は胆嚢結石と比較して治療が困難である。また、胆石を保有していると、胆嚢癌や胆管癌になりやすい。胆管結石の治療法としては、内視鏡による機械的砕石、胆石溶解剤による内服治療、電気水圧衝撃波砕石、レーザーアブレーションによる砕石がある。しかし、これらの治療法では、胆管内の胆石を完全に破砕することができず、破砕片による再結石や胆管の損傷などの問題がある。そこで、超短パルスレーザーを胆石破砕治療に用いることにより、胆石を分子レベルで破砕し、胆管などを傷付けないことが期待されている。本研究では、新たなレーザー胆石治療法を確立するための第一歩として、電界放出形走査電子顕微鏡 (FE-SEM)を用いて、胆石の表面構造の観察を行った。また、エネルギー分散型X線分光器 (EDS)を用いて、胆石表面の元素分析を行った。

2.実験(Experimental)
FE-SEM及びEDSを用いた実験では、ビリルビンカルシウム石及び黒色石をサンプルとして測定を行った。サンプルは3mmのサイズに分割し、ステージに固定して、Ptでスパッタコーティングを行った。その後、FE-SEMにより顕微鏡画像を獲得し、表面構造の観察を行った。観察時の倍率は、600倍、1000倍、2000倍、3000倍に設定した。また、顕微鏡画像を用いて、EDSにより無機成分を中心に元素分析を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
FE-SEMを用いた分析では、胆石の表面構造を確認することができた。ビリルビンカルシウム石の顕微鏡画像からは、主成分であるビリルビンカルシウムの微細構造が確認できた。また、黒色石からも、ビリルビンカルシウムの微細構造を確認することができた。EDSを用いた分析では、元素分析により無機成分を検出した。ビリルビンカルシウム石では、Ca、P、Na、Al、Mgなどを検出することができた。黒色石では、Ca、P、Na、Al、Sなどを検出することができた。特にCaは、ビリルビンカルシウムなどのカルシウム塩由来のものであり、胆石の主要な成分であることが明らかになった。また、胆石中の元素分布を明らかにすることができた。

4.その他・特記事項(Others)
・参考文献
(1) 水本朔, 會沢勝夫, 渡邉学, 李黎明 第38回日本レーザー医学会総会アブストラクト, 平成29年11月10、11日

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
・学会発表
(1) Hajime Mizumoto, Gakuya Kudou and Liming Li Analysis of Gallstone Components using FE-SEM and EDS, 18th Chitose International Forum on Photonics Science & Technology, 2017. 10.9-10
(2) 水本朔, 會沢勝夫, 渡邉学, 李黎明 第38回日本レーザー医学会総会, 平成29年11月10日、11日

6.関連特許(Patent)
なし。

©2019 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.