利用報告書

たんぱく質のα-ヘリックス構造の変性程度と加熱程度との相関の確認
近藤 康一
株式会社 Mizkan Partners

課題番号 :S-17-NU-0013
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :たんぱく質のα-ヘリックス構造の変性程度と加熱程度との相関の確認
Program Title (English) :Confirmation of the correlation between denaturation of α-helix structure in protein and history of heating
利用者名(日本語) :近藤 康一
Username (English) :Koichi Kondo
所属名(日本語) :株式会社 Mizkan Partners
Affiliation (English) :Mizkan Partners Co., Ltd.

1.概要(Summary )
筋たんぱくのミオシンに含まれる、α-へリックス構造の円二色性スペクトルを評価することで、熱負荷の多寡を見積もることができるという報告があった。主に、昆虫の肢からホモジネートを調製し、そこに含まれる「α-へリックス構造」を指標として、検体が受けた熱負荷・熱履歴を見積もることの可能性について検討した。
本年度は、昆虫等の肢ホモジネートの調製条件、熱負荷が円二色性スペクトルに与える影響について、検討・確認した。

2.実験(Experimental)
昆虫等の肢から、水性ホモジネートを調製し、円二色性スペクトルを測定した。
不活化した昆虫等に、程度の異なる熱負荷を意図的に加え、無加熱(対照)区との間で、ホモジネートのスペクトルを比較・評価した。

使用機器: 電子円二色性 (JASCO社製 ECD-702YS)

3.結果と考察(Results and Discussion)
角型標準石英セル(1mm長)で測定する場合、ホモジネートのたんぱく濃度は、検体のハンドリングならびにデータの安定性・再現性の観点から、0.1mg/ml程度に調整した条件が良好であると判断した。
検体の部位は、昆虫の腿節を使用した場合が、一番データが安定していた。
熱負荷量を(半)定量する可能性については、年度末時点においては、「筋たんぱくが完全に変性した状態」と「左記以外の状態」とを区別できるレベルに留まっている。

4.その他・特記事項(Others)
機器利用・測定に際し、名古屋大学大学院工学研究科 坂口先生、田浦先生、伊藤氏にご指導・ご助言をいただきました。厚く御礼申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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