利用報告書
課題番号 :S-14-KU-0046
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :アニオン型燃料電池電解質膜の構造、特性解明
Program Title (English) :Structure and property of anionic-type fuel cell polymer electrode membrane
利用者名(日本語) :柳 裕之
Username (English) :H. Yanagi
所属名(日本語) :株式会社トクヤマ
Affiliation (English) :Tokuyama Corporation.
1.概要(Summary )
(株)トクヤマが開発したアニオン型燃料電池用の電解質膜の構造、特性を解明する。アニオン型燃料電池用触媒は、白金ではなく安価なニッケルやコバルトを金属触媒として利用できるため、燃料電池の本格普及にたいして重要な位置を占めている。しかし、現状は、アルカリ中での耐久性が十分ではなく、高耐久性のニオン型燃料電池用の電解質膜の開発が社会から強く要望されている。(株)トクヤマでは、これまで数種類のアニオン型燃料電池用の電解質膜を開発し、世界のアニオン型燃料電池用の電解質膜研究者に提供してきた。
ここでは、(株)トクヤマが開発したアニオン型燃料電池用の電解質膜の基礎特性の解明を九州大学ナノテクノロジープラットフォームの協力のもと行った。
2.実験(Experimental)
(株)トクヤマが開発した2種のアニオン型燃料電池用の電解質膜(電解質膜1、および電解質膜2)のアルカリ中での安定性の経時変化を核磁気共鳴スペクトル、薄層クロマトグラフィ、および赤外分光スペクトル等を用いて追跡した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
上記の2種の電解質膜の核磁気共鳴スペクトル、および赤外分光スペクトルを用いて追跡実験結果より、電解質膜のアルカリ中での安定性のメカニズムを考察した。電解質膜ポリマー主鎖とアンモニウム基の化学構造の位置関係が、安定性に対する重要なファクターであることがわかった。
実際のアニオン型燃料電池用の電解質膜では、高耐久性アニオン伝導膜の研究では、50 ℃、RH=100%の条件においてOCV劣化試験の結果が100時間で5%以内であることが要求される。しかしながら、今回使用のアニオン型燃料電池用の電解質膜では、これを満たしていないことがわかった。電解質膜ポリマー主鎖とアンモニウム基の化学構造の位置関係などの見直し、再度の分子設計、合成、およびそのアルカリ中での安定性の評価が要求される。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







