利用報告書

アパタイト透明体上での細胞挙動の観察
川越大輔
小山工業高等専門学校物質工学科

課題番号 :S-16-NM-0044
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :アパタイト透明体上での細胞挙動の観察
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :川越大輔
Username (English) :Daisuke Kawagoe
所属名(日本語) :小山工業高等専門学校物質工学科
Affiliation (English) :National Institute of Technology, Oyama college

1.概要(Summary)
リン酸カルシウムは人工骨だけでなく細胞を培養する足場であるスキャホールドとしても多くの研究がされている。細胞の足場材料としてのリン酸カルシウムは、細胞の培養に最適な材料特性を持たせる必要があり、動的光散乱粒度分布計やレーザー回折粒度計で粒度分布を、ゼーター電位計で粒子の凝集・分散に関係するゼーター電位を評価することが必要であると考え、これらによる評価を行った。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
 レーザー回折粒度分布計
 動的光散乱粒度計
・  ゼーター電位計
・  接触角計
・  CO2インキュベーター

【実験方法】
リン酸カルシウムを種々のwt%にて水と混合し、超音波分散を行った後、レーザー回折粒度分布測定および動的光散乱粒度分布測定、ゼーター電位等の粉末・材料の評価をおこなった。
また、得られたリン酸カルシウムのバルクに、MC3T3-E1を播種し、37度、5%CO2インキュベーターにて細胞を培養した。

3.結果と考察 (Results and Discussion)
作製したリン酸カルシウムを、レーザー回折粒度計を用いて粒子径を測定したところ、粒子が細かくなったときの再現性を得られることができず、分散剤を用いたときの粒子分散状態の評価も難しいことがわかった。このため、同じリン酸カルシウム粒子を、動的光散乱粒度分布計を用いて測定したところ、比較的に再現性よく粒度分布を評価することが可能であった。また、分散剤添加時の粒子の状態も評価することが可能であった(Fig. 1)。さらに、よく分散した条件において、ゼーター電位を測定したところ、一般的な分散状態の指標のひとつである絶対値30mV以上のゼーター電位を有することがわかった。

Fig. 1 Particle size of calcium phosphate.

4.その他・特記事項(Others)
李博士より、レーザー回折粒度分布計、動的光散乱粒度計、ゼーター電位計、接触角計等の装置の使用トレーニングを受けた。
服部博士より細胞培養等の使用トレーニング、および種々の実験遂行に伴うトラブルに対応して頂いた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし

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