利用報告書
課題番号 :S-18-CT-0078
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :アミロイド凝集阻害物質の探索
Program Title (English) :Screening of amyloid aggregation inhibitors
利用者名(日本語) :吉成航, 田井中玲奈, 徳樂清孝
Username (English) :W. Yoshinari, R. Tainaka, K. Tokuraku
所属名(日本語) :室蘭工業大学大学院工学研究科
Affiliation (English) :Muroran Institute of Technology
1.概要(Summary )
アルツハイマー病やパーキンソン病をはじめとするアミロイドーシスは、アミロイドβ、タウ、αシヌクレイン等のアミロイド線維を形成するタンパク質が脳内で凝集、蓄積することが発症の引き金となる。我々は量子ドットナノプローブを用い、蛍光顕微鏡下でアミロイド凝集阻害物質を探索する微量ハイスループットスクリーニングシステムの開発を行ってきた。本手法では、アミロイド凝集体の形成やその阻害を蛍光顕微鏡下で直接可視化することが可能であるというメリットがあるが、解像度が低いため凝集体中に含まれる線維一本一本を観察することは不可能であった。ナノテクプラットフォーム事業を活用し、透過型電子顕微鏡(TEM)でアミロイド凝集体を観察することで、線維形態やプローブとの相互作用の詳細な観察を行い、探索システム開発の精密化を目指した。
2.実験(Experimental)
Aβおよびtauを37 ℃で24 h、α-Synucleinを37 ℃で7日間インキュベートした。試料溶液をグリッドにのせ、10分間インキュベート後、水滴をろ紙で吸い、2.5%グルタルアルデヒドを含むPBSにのせて室温で5分間程度静置し、試料分子を膜面に固定した。パラフィルム上に1%リンタングステン酸の液滴を2つ用意し、試料側が水滴に接するように被せ、2つのリンタングステン酸水滴にそれぞれ数秒位ずつ接触させた。ろ紙で余剰の染色剤を吸収し、10分間自然乾燥させ、TEM(日立、H-7600)を用いて観察した。
・利用装置 透過型電子顕微鏡(TEM)
3.結果と考察(Results and Discussion)
Aβ、tau、α-Synucleinを凝集させ、形態の違いをTEMで観察した。その結果、これらのアミロイド線維の形態は類似していること(Fig.、EM上)、形成した線維に量子ドットナノプローブが結合する様子が確認された(Fig.、EM下)。また、量子ドットナノプローブ共存下でこれらを蛍光顕微鏡観察したところ、凝集していく様子を継時的に観察できることが明らかになった(Fig. FM)。
アミロイドの繊維形成過程について河野シニアアドバイザーとディスカッションを行った。
Fig. Aβ、tau、α-Synuclein凝集体のTEM(EM)、蛍光顕微鏡(FM)観察
4.その他・特記事項(Others)
本研究はJSPS科研費16H03288の助成を受けたものです。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) R. Sasaki, R. Tainaka, Y. Ando, Y. Hashi, D. H. Virupaksha, Y. Suga, Y. Murai, M. Anetai, K. Monde, K. Ota, I. Ito, H. Kikuchi, Y. Oshima, Y. Endo, H. Nakao, M. Sakono, K. Uwai, and K. Tokuraku, Scientific Reports 9, (2019) Article number 2587.
(2) 田井中玲奈, 橋友理香, 中尾仁美, 迫野昌文, 徳楽清孝, 第91回日本生化学会大会, 2018年9月24日.
(3) NUOMIN, 野口太郎, 徳楽清孝, 第91回日本生化学会大会, 2018年9月24日.
(4) Nuomin, M. Kuragano, T.Q.P. Noguchi, K. Tokuraku, Joint Seminar on Environmental Science and Disaster Mitigation Research 2019, Mar. 1st 2019.
6.関連特許(Patent)
(1)なし(出願したものはあり)。







