利用報告書

イオン性色素結晶の作製
山門陵平1), 岡田修司1)
1) 山形大学大学院有機材料システム研究科

課題番号 :S-18-NU-0017
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :イオン性色素結晶の作製
Program Title (English) :Preparation of Novel Ionic Dye Crystals
利用者名(日本語) :山門陵平1), 岡田修司1)
Username (English) :R. Yamakado1), S. Okada1)
所属名(日本語) :1) 山形大学大学院有機材料システム研究科
Affiliation (English) :1) Graduate School of Organic Materials Science, Yamagata University

1.概要(Summary )
多くのイオン性π電子系化合物は静電相互作用を基盤としてカチオンとアニオンの1:1錯体を形成しており、それらの結晶構造は適切なイオン設計との組み合わせによって太陽光発電に適した半導体特性を示すように制御することができる。本研究では、アクセプターとして置換スチリルピリジニウムカチオン、ドナーとして1,3-ビス(ジシアノメチリデン)インダンアニオン (BDCI-A)または7,7,8,8-テトラシアノキノジメタンラジカルアニオン (TCNQ-RA)を組み合わせたイオン性化合物をはじめとした様々なπ電子系化合物を合成した。得られた化合物の特性は、UV-vis-NIR測定、ESR測定、電気伝導度測定などから評価することが可能であるが、測定には高い純度のサンプルを用いる必要がある。本研究課題では、元素分析測定を行い、合成したπ電子系化合物の純度確認を行なった。

2.実験(Experimental)
サンプル合成の例を挙げる。カチオン種のヨウ化物塩を、メタノール中でBDCI-Aのナトリウム塩、もしくはアセトニトリル中でTCNQ-RAのリチウム塩と1:1のモル比で混合し、析出結晶として様々なイオン性化合物を高収率で得た。得られた化合物の純度測定のために、パーキンエルマー社製2400II CHNS/O型(S-NU-107)を用いた元素分析を依頼した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
元素分析測定を行なった化合物の一部について構造式(図1)と結果を示す。
PMA-TCNQ
Observed: C 75.82, H 5.23, N 18.95.
     
  
 
 
 
 
 
Calcd: C 75.51, H 5.06, N 18.92.
TBA-TCNQ
Observed: C 75.29, H 9.03, N 15.68.
Calcd: C 75.30, H 9.18, N 15.61.
いずれも理論値と一致していることから、高い純度で目的物を得られたことがわかった。この他、理論値と一致しない誘導体も得られたが、これは精製が不十分もしくは水などの溶媒を含んでいることが考えられた。

4.その他・特記事項(Others)
元素分析測定においては、名古屋大学・林育生氏の支援を得た。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) Y. Tanaka, R. Yamakado and S. Okada, First International Conference on 4D Materials and Systems, 平成30年8月27日
(2) Y. Tanaka, R. Yamakado and S. Okada, The First International Conference of Polymeric and Organic Materials in Yamagata University, 平成31年1月25日 
他7件

6.関連特許(Patent)
なし

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