利用報告書
課題番号 :S-17-TU-0009
利用形態 :技術補助
利用課題名 (日本語) :エーアイシルク電極
Program Title (English) :Crystallinity of conductive polymer
利用者名(日本語) :及川飛鳥, 清水利規,岡野秀生
Username (English) :A. Oikawa, T. Shimizu, H. Okano
所属名 (日本語) :エーアイシルク株式会社
Affiliation (English) :AI SILKCoRP.
キーワード :導電性高分子,結晶性,X線構造解析
1.概要(Summary)
導電性高分子の結晶性の違いにより、電極の抵抗値へ与える影響が異なると思われる。
結晶性が高い方が電極の抵抗値が低くなるのか、結晶性が低いほど電極の抵抗値が低くなるのか調査を行う。
熱の影響により導電性高分子の結晶性がどのように変化するのか、また熱による反応速度への影響を調査するためにTG/DTA、DSCを用いて分析を行う。
2.実験(Experimental)
様々な条件で作製した導電性高分子をX-RDで観察を行いその結果を解析。導電性高分子の結晶性と抵抗値の相関を調べる。
重合反応により調整した導電性高分子の粉末をTG/DTAにかけて何度で分解するのかを確認したのちに、DSCで結晶性の転移温度を観察する。
また、重合反応を行いその転移温度を調べ、結晶性への影響を確認する。
3.結果と考察(Results and Discussion)
まず、導電性高分子単体の結晶ピークを調べるために、基材のみ、基材+導電性高分子(処理前)、基材+導電性高分子(処理後)の条件で作製した電極のX線回折を行った。
その結果得られたのが基材の結晶性ピークのみだった。基材+導電性高分子(処理前)の電極においては小さい結晶性ピークがいくつか見られたが、処理をすると全て消失してしまっている。処理により消失してしまうということは、基材に付着している導電性高分子ではなく不純物などが処理により洗い流されていると考えられる。
電極の作成条件を変えてさらに分析を行ったが、得られるのは基材の結晶性ピークのみであった。作製条件により導電性高分子の結晶性に影響を与える可能性は低く、いずれの条件においても同一の結晶性(非結晶)の導電性高分子が得られると考えられる。
基材+導電性高分子に見られた小さなピークは処理を行うことで消失。付着していた不純物がピークとして検出され、処理により洗い流されたものだと思われる。なお処理方法による結晶性への影響はない模様。
TG/DTAによると320℃付近と390℃付近の2段階で分解が起こっている。低温度側では重合が完全に完了していない低分子の分解、高温度側では高分子に分解が起きているものだと思われる。これにより導電性高分子の耐熱温度が約390℃だということがわかった。
DSCでは有益な情報が得られなかった。固体状態ではなく液体の状態で、なおかつ反応の経過を観察する必要があると思われる。
DSCで液体状態の重合反応の転移温度を調べたが、揮発した溶媒ピークと反応物のピークが重なってしまい、有益な情報は得られなかった。溶媒単体で同条件で分析にかけ、溶媒ピークを除去して解析する必要があると思われる。
TG/DTAグラフ
320℃、390℃で分解が起きている
これにより導電性高分子の耐熱温度が分かったが詳しい転移温度までは調査できていない。
DSCのグラフは溶媒ピークしか検出されていないので割愛。
4.その他・特記事項(Others)
参考論文
Klaus Opwis, et al. Synthetic Metals,
Vol.162(2012) p.p.1912-1918.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







