利用報告書

カラミチックーディスコチック双液晶性アゾベンゼンートリフェニレン誘導体の 研究
真田ひかる1)・北川剛史1)・中村啓人1)・清水 洋2), 内田欣吾1)
1) 龍谷大学理工学部, 2) 奈良先端科学技術大学院大学

課題番号 :S-20-NR-0037
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :カラミチックーディスコチック双液晶性アゾベンゼンートリフェニレン誘導体の 研究
Program Title (English) :calamitic-discotic bimesomorphic azobenzene-triphenylene derivatives
利用者名(日本語) :真田ひかる1)・北川剛史1)・中村啓人1)・清水 洋2), 内田欣吾1)
Username (English) :H. Sanada1), H. Kitagawa1), H. Nakamura1),Y. Shimizu2), K. Uchida1)
所属名(日本語) :1) 龍谷大学理工学部, 2) 奈良先端科学技術大学院大学
Affiliation (English) :1) Faculty of Science and Technology、Ryukoku University, 2) NAIST

1.概要(Summary )
我々は、6個の長鎖アルコキシアゾベンゼンをプロピレンエステル基により結合させたトリフェニレン誘導体(1-Cn-3:nはアルキル鎖の炭素数)が、カラミティック液晶性とディスコティック液晶性を示す双液晶性化合物であることを見出した。これら誘導体の液晶性と相転移挙動の解明を行うために末端アルキル鎖の異なる誘導体の合成と精製を行ってきた。これら化合物の構造確認は今まで元素分析と1HNMRで行ってきたが、以前質量スペクトル装置を使って構造確認を行った際、元素分析があっているとされた化合物に不純物が含まれている可能性が確認された。この化合物の分子量は3000近く、とても大きいものであるため元素分析では正確な測定が難しいのではないかと考えた。よって、化合物の再合成精製を行い、純度を確認すると、不純物が液晶性に大きく影響することが確認できた。その為、他誘導体に関しても同様に精製した化合物の純度を確認する為に申請した。

2.実験(Experimental)
共同研究と技術代行を組み合わせて、MALDI-TOF 質量分析装置Spiral-TOF-MS(JEOL製JMS3000)を利用しマススペクトルを測定した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
今回測定した化合物を図1に示した。再合成精製を行った化合物1-C15-3,1-C16-3は質量スペクトル純度の観点からおおよそ信憑性の高い化合物が得られたが、化合物中にアゾベンゼン部分が1,2つ外れた化合物が存在する可能性があると指摘された為、再精製が必要であると考えた。

4.その他・特記事項(Others)
MALDI-Spiral-TOF/MS(JEOL製 JMS-S3000)を用いて質量スペクトルを測定して頂いた奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科物質創成科学研究領域(研究・国際部 研究協力課)の西川 嘉子 氏に感謝します。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 真田ひかる・北川剛史・中村啓人・太田 昇・関口博史・服部陽平・河合 壯・内田欣吾・清水 洋, カラミチックーディスコチック双液晶性アルコキシアゾベンゼンートリフェニレンエステル結合体のSmA-Colr液晶相転移~異方性分子間相互作用の効果~日本化学会 第101春季年会, 令和3年3月21日

6.関連特許(Patent)
なし

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