利用報告書

カーボンナノチューブーポリマー間の化学結合形成による透明導電材料の作製
馬場拓麻
千歳科学技術大学大学院光科学研究科

課題番号(Number of project) :S-16-CT-0093
利用形態(Type of user support) :機器利用
利用課題名(日本語) :カーボンナノチューブーポリマー間の化学結合形成による透明導電材料
の作製
Program Title (English) :Fabrication of transparent conductive materials through chemical bond
formation between carbon nanotubes and polymer
利用者名(日本語) :馬場拓麻
Username (English) :T. Baba
所属名(日本語) :千歳科学技術大学大学院光科学研究科
Affiliation (English) :Graduate School of Photonics Science, Chitose Institute of Science and
Technology

1.概要(Summary)
本研究では、高耐久性透明導電材料作製のための基礎技術の確立を目的として、透明素材誘導体側鎖の光解離(ラジカル生成)反応を利用したカーボンナノチューブとの結合形成反応を、X線光電子分光法(XPS)、透過電子顕微鏡(TEM)およびラマン分光法により観察した。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
ラマンイメージング装置(Renishaw InVia)
【実験方法】
側鎖上に光解離基(クロロメチル基)をもつポリスチレンをラジカル重合により合成し、有機溶媒中にて多層カーボンナノチューブと混合・紫外光照射し光反応を進行させた。得られた生成物を膜状に成型し、上記のラマンイメージング装置を利用して、カーボンナノチューブの構造変化を観察した。また、X線光電子分光(XPS)装置および透過電子顕微鏡(TEM)を利用して、CおよびClの元素分析およびカーボンナノチューブの分散状態の観察を行った。XPS測定は北海道大学に設置されている装置を利用して行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
ラマンスペクトル測定の結果からは、ポリスチレンから生じたラジカルとの反応によるカーボンナノチューブ表面での構造変化が確認できた。また、TEM装置での観察を行ったところ、カーボンナノチューブ含有量の異なる試料中でのカーボンナノチューブの分散状態を評価することができた。これらのデータと試料の光透過率・電気抵抗の測定結果に基づいて、本法で得られる複合体でのカーボンナノチューブの捕捉・結合状態と電気的特性について整理することができた。なお、XPSでのCおよびClの元素分析からは、ポリスチレン側鎖のC–Cl結合が効率的に解離しラジカルが生成することを確認した。

4.その他・特記事項(Others)
• 本研究は、科学研究費基盤研究(C)(No. 16K06834)の支援を得て実施された。
• ラマンスペクトル測定およびTEM観察に際してご協力をいただいた、千歳科学技術大学ナノテク支援室の河野敬一特別研究員ならびに山崎郁乃氏に感謝いたします。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
Takada, T.; Baba, T.; Abe, S. Simple Process for Sidewall Modification of Multi-Walled Carbon Nanotubes with Polymer Side Chain Radicals Generated by Ultraviolet-Induced C–Cl Bond Dissociation of Polystyrene Derivatives. C-J. Carbon Res. 2016, 2, 20.

6.関連特許(Patent)
なし。

©2025 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.