利用報告書
課題番号 :S-15-KU-0055
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :カーボンナノ材料の電子デバイスへの応用
Program Title (English) :Application for electronic devices using carbon nanomaterials
利用者名(日本語) :竹村 直人
Username (English) :Naoto TAKEMURA
所属名(日本語) :タツタ電線株式会社
Affiliation (English) :Tatsuta Electric Wire & Cable, Co., Ltd.
1.概要(Summary )
カーボンナノ材料(カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等)は電子回路用部材、例えば導電ペーストや電磁波シールドフィルムの性能向上を図るにあたり有効な材料と考えられる。本検討では、導電性を付与もしくは向上する目的で、カーボンナノ材料などの導電助剤を混合分散するための条件最適化を試みた。本年度は目的達成まで至らなかったが、ナノフィラーへのダメージの定量的な評価方法を検討する事が出来た。
2.実験(Experimental)
<使用した機器>
・プローブ型顕微ラマン分光測定装置
・高速レーザーラマン顕微鏡
カーボンナノチューブ粉体(原料粉)からなる分散体を調製し、フィルム状に成形したサンプルをプローブ型顕微ラマン分光測定装置により測定し、得られたラマンシフトから分散前後における結晶性を評価した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
混合条件を変更したフィルム(以下、試験体)を作成し、シート抵抗および微視的構造の観察により分散状態の評価を実施した。分散良好な試験体をプローブ型顕微ラマン分光測定装置により測定し、得られたラマンシフトからG/D比を求めたところ、原料粉体とほぼ同等のG/D比を示したことから、カーボンナノチューブへのダメージもしくは結晶性の低下は軽微であると判断した。なお、シグナルが検出されない、あるいはシグナルが微弱な試験体については、高速レーザーラマン顕微鏡で測定を試みた。
以上の事から、試験体においてラマンシフトのピーク強度比を比較することにより、試験体中のフィラーのダメージを定量的に評価できることが確認できた。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







