利用報告書
課題番号 :S-13-KU-0017
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :グラフェン分散液の解析
Program Title (English) :Analysis of solution dispersing graphene
利用者名(日本語) :高垣 有作
Username (English) :Yuusaku Takagaki
所属名(日本語) :住友理工株式会社(旧社名:東海ゴム株式会社)
Affiliation (English) :Sumitomo Riko Co., Ltd.
1. 概要(Summary )
近年、黒鉛を剥離して作製したグラフェンを高分子材料に複合化する事で、従来の炭素材料に比べ少量添加で高強度・高導電化出来る事が報告されている。そこで、本研究ではグラフェンの高分子材料複合化効果を検証するため、黒鉛の剥離処理によるグラフェン分散液作製を試みた。剥離処理後の黒鉛がグラフェン状に剥離出来ているかは、レーザーラマン分光光度計を用いて評価した。
2.実験(Experimental)
黒鉛の剥離処理は以下方法で実施。まず、天然黒鉛粉末3gを溶剤(シクロペンタノン)90g中に分散させ、超音波処理により黒鉛分散液を得た。次に、黒鉛分散液を、7日間自然放置し、上澄み液を回収する事で黒鉛剥離液を作製した。作製した黒鉛剥離液を1ml採取し、PTFE製メンブレンフィルタにてろ過・乾燥させたサンプルをレーザーラマン分光光度計(NRS-2000)を用いて評価する事により、グラフェン状に剥離出来ているか評価した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1に、原料黒鉛、上記方法に従って剥離処理した黒鉛のレーザーラマン測定結果を示した。結果、原料黒鉛では2700cm-1付近に2Dバンドと呼ばれるピークが出現したのに対し、剥離処理後の黒鉛では、2Dバンドが低波数側にシフトし、グラフェンの2Dバンドが現れる2680cm-1付近にピークが出現した。以上から、上記作製法により、黒鉛の剥離が進行し、グラフェン分散液が作製出来ることを確認した。今後、本方法で作製したグラフェン分散液の高分子材料複合化効果を検証する予定である。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







