課題番号 ：S-15-MS-1011
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：グラフェン壁を有する三次元構造体の触媒担体への応用
Program Title (English) ：Application of three-dimensional graphene structure as catalyst support
利用者名（日本語） ：小木曽貴弘1),才田隆広2)
Username (English) ：T. Kogiso1), T. Saida2)
所属名（日本語） ：1) 名城大学大学院理工学研究科, 2) 名城大学理工学部応用化学科
Affiliation (English) ：1) Graduate School of Science and Technology, Meijo University,
2) Department of Applied Chemistry, Faculty of Science and Technology, Meijo University

１．概要（Summary ）
燃料電池は，次世代エネルギー源の１つとして広範な分野における運用が期待されている。燃料電池の発電性能には電極触媒の触媒活性が大きく影響を与えている。一般的に使用されている炭素担持白金触媒では，電極が高電位にさらされる起動停止時に触媒担体である炭素材料が腐食し，白金が担体から脱離してしまう問題がある。また，通常の炭素担体はネッキング構造を有しており，高比表面積を実現している反面，その複雑な細孔構造が酸素や生成水の拡散を妨げている。そこで本研究では，耐腐食性に優れるグラフェンを用いたナノシート被覆ビーズ粒子を交互吸着法にて作製することで拡散抵抗の小さいオパール構造を有する新規三次元構造体触媒の合成を目的とした。
２．実験（Experimental）
既報と同様の手法にて酸化黒鉛(GO)を構造体壁とする球形粒子を作製した(業績番号(1))。この球形粒子に含浸法により白金錯体を担持し，熱処理により白金錯体を還元した。形態観察は，低真空分析走査電子顕微鏡により行い，酸化黒鉛の還元状態は，ラマン分光法およびXPSにより確認した。
３．結果と考察（Results and Discussion）
白金粒子をGO壁からなる球状構造体に担持すると球形が潰れたような構造体を示した（図１）。また，担持された白金の粒径は，2 nmから10 nm程度と不揃いであった。加えて，ラマン分光法およびXPSから，白金錯体の還元処理後には，GO壁が還元されていることも確認している。
４．その他・特記事項（Others）
謝辞
本研究を推進するにあたりラマン分光装置を使用させて下さいました分子科学研究所　賣市幹大技官に深く感謝いたします。また，走査型電子顕微鏡を使用させて下さいました分子科学研究所　中尾聡技官に深く感謝致します。
５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
学術論文
(1) T. Saida, T. Kogiso, T. Maruyama, Chem. Lett., vol.45 (2016) p.p 330-332.
学会発表
(1) T. Kogiso, T. Saida, T. Maruyama, The Sixteenth International Conference on the Science and Application of Nanotubes (NT15), July 2 (2015).
６．関連特許（Patent）
なし