利用報告書

コロイド結晶膜における樹脂微粒子の配列状態について
菊田直也, 間宮倫孝, 小池隆明
東洋インキSCホールディングス株式会社

課題番号                :S-19-OS-0026

利用形態                :機器利用

利用課題名(日本語)    :コロイド結晶膜における樹脂微粒子の配列状態について

Program Title (English) :The arrangement of fine resin particles in colloidal crystal

利用者名(日本語)      :菊田直也, 間宮倫孝, 小池隆明

Username (English)     :N. Kikuta, M. Mamiya, T. Koike

所属名(日本語)        :東洋インキSCホールディングス株式会社

Affiliation (English)  :TOYO INK SC HOLDINGS CO.,LTD.

 

 

1.概要(Summary )

単分散微粒子が規則配列したコロイド結晶はブラック反射等、特異的な光学特性を有するフォトニック結晶のひとつとして活発に研究されている。[1]今回、自社で合成したポリスチレン(PSt)微粒子水分散体をフィルム基材上に塗工してコロイド結晶膜を作製し、大阪大学ナノテクノロジー設備供用拠点の設備を活用して、塗膜中のPSt微粒子の配列状態を確認した。

 

2.実験(Experimental)

【利用した主な装置】

S14 走査型電子顕微鏡

(日立ハイテクノロジーズ“SU9000”)

【実験方法】

処理PET上にPSt微粒子水分散体を塗工し、室温条件で乾燥させ塗膜を作製した。この塗膜について上記の装置で塗膜表面の直接観察をおこなった。

・PSt微粒子水分散体(粒子径250nm 自社合成品)

・基材:処理PETフィルム(膜厚25μm)

・塗工条件:バー引き dry膜厚9μm

・イオンスパッタ装置:㈱日立ハイテクノロジーズ製E-1045

・成膜材料:白金

・処理条件:電流15mA、時間45秒

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

Fig. 1に示すように、自社のPSt樹脂微粒子水分散体を塗工した塗膜は緑色に発色した。この塗膜表面にイオンスパッタ装置により白金コーティングを施し、SEMによる表面観察を行ったところ、Fig. 2に示すように、単分散なPSt微粒子が規則的に配列している状態が確認できた。したがって、この塗膜の発色は、微

 

 

粒子の規則配列、積層によって発現する構造発色に起因するものであることを確認できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

Fig.1 Appearance of coating film

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fig.2 SEM image of coating film

 

4.その他・特記事項(Others)

・参考文献:[1] H.Fudouzi NANOMATERIALS AND NANOARCHITECTURES. Chapter1 (2015) 1-19

・装置使用方法に関してご説明頂きました大阪大学分子・物質合成PFの支援員の方に感謝致します。

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし。

 

6.関連特許(Patent)

なし。

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