利用報告書
課題番号 :S-15-KU-0054
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :コンクリート中塩分濃度の調査
Program Title (English) :Investigation of concrete in salinity
利用者名(日本語) : 松井 良浩
Username (English) : Yoshihiro. Matsui
所属名(日本語) : 南信環境管理センター株式会社
Affiliation (English) : Nanshinkannkyoukannricenter, Co., Ltd.
1.概要(Summary )
コンクリート中の塩分濃度を定量し、コンクリートの劣化を事前予測できる調査方法を開発する為の調査の一環。
今回は、塩分を入れた水試料が、特定の光に対して特徴的な吸収または、反射をするのかを知るためにスペクトル解析を行った。
(単純に塩分がどの光に特徴的に反応するかを調べる為)
2.実験(Experimental)
まずは段階的な塩分濃度の水試料を幾つか作成し、それぞれの試料を165~3300nm範囲で吸光度のスペクトラムを解析した。
深紫外線領域の吸収スペクトルも確認したかった為、解析装置は、藤ヶ谷剛彦准教授から紹介して頂いた、『島津DUV3700』を使用し、テクニカルスタッフの廣渡和生さんに技術代行で解析実験をお願いした。
3.結果と考察(Results and Discussion)
下の図は、2016年2月10日に行ったスペクトル解析の結果である。
塩化カルシウム1ppm、10ppm、100ppmと塩化ナトリウム1ppm、10ppm、100ppmの2物質においてそれぞれ3水準のスペクトル解析を行い、特に165nm~200nm付近で濃度に応じて、少しずつ吸光度が高くなり、ある程度の相関があることがわかる。
(塩化カルシウム100ppmと塩化ナトリウム100ppmのスペクトルはほぼ重なっている)
ただし、塩化カルシウム、塩化ナトリウムともに1ppmの低濃度の試料でも吸光度が1.8ABS付近の高い値となっており、他高濃度の2試料の吸光度増加分を考えると、この付近(165nm~200nm)の吸収は塩分以外の水による吸収がほとんど占有してることが考えられる。
しかしながら、165nm~200nmの波長領域で、水中における塩化物の量に応じて、微量ながらも吸光度の増加
がみられることが分かった。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







