利用報告書
課題番号 :S-19-NM-0082
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :スポーツ障害発症要因の解明及び障害発症予防戦略の確立に向けた適切な運動
形式の選定
Program Title (English) : Elucidation of sports disorder onset factors and selection of appropriate exercise form for
establishment of disorder onset prevention strategy
利用者名(日本語) :小曽根海知1)
Username (English) :Kaichi Ozone 1)
所属名(日本語) :1)埼玉県立大学大学院, 博士後期課程
Affiliation (English) :1)Graduate School of Saitama Prefectural University, Doctoral Program
1.概要(Summary)
スポーツ障害は腱骨付着部 [以下Enthesis]で好発すると言われている。同部位は特徴的な構造を呈することで腱から伝達される機械的負荷を緩衝しているが、その緩衝能力を超えるほどの負荷が同部で生じた場合、病理学的変化を伴う(Benjamin M et al.2002)。この発症要因はこれまでOveruseが原因であるとされてきた(Shaw HW, Benjamin M.2007)。しかし近年報告されたスポーツ障害罹患者の動作解析結果から、罹患者らは共通して特定の筋収縮形態を持続的に行っていることが明らかとなった(藤井ら.2014)。そこで申請者はこれまでマウスを用いた基礎研究にて、同様に特定の筋収縮形態運動を持続して行うことでスポーツ障害様変化が生じるか否かを検証してきた。その結果同部における構造変化が生じることがわかった。しかしその変化がいかなるタンパク質の影響によって生じたのか、その詳細は分かっていない。またEnthesis部は目視で確認できず、切片を作成した状態でないと同部を特定することが困難である問題点がある。
そこで本研究課題ではまず、Laser Micro Dissection [以下LMD]を用いてEnthesis領域を採取することが可能か否かを検証することを目的とした。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
・ Laser Micro Dissection 7000 (Leica Microsystems)
【実験方法】
マウスを屠殺後、肩関節複合体を採取する。LMDが利用可能か否かを検証するため以下の条件で実施した。
●固定脱灰処理済み標本; パラフィン切片作成
組織採取後4% paraformaldehydeにて48時間固定し、その後10% ethylenediaminetetraacetic acidにて2週間の脱灰処理を実施。その後パラフィン包埋し7µm切片を作成。Membrane Slides (PEN-membrane 2,0µm; Leica Microsystems)に切片を貼り付け、Toluidine-blue染色にて線維軟骨層を標識化した。標識された切片をLMD7000 (Leica Microsystems)に装着し顕微鏡下でEnthesis領域を観察。その後同部をPC上で選択し採取した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
LMDおよびToluidine-Blue染色による標識を用いることでこれまで採取が困難とされてきたEnthesis領域を確実に採取することが可能であった(Fig.1黒矢印)。パラフィン切片の場合、脱灰処理を事前に行っているため石灰化領域を抽出する際滞りなく可能であった。今後のEnthesis研究をより発展させるためにLMDを用いることは有益であることが検証された。
4.その他・特記事項(Others)
本実験の遂行にあたり、技術指導等お力添え頂きました箕輪貴司様、李香蘭様に心から御礼申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。







