利用報告書

セメント水和物の変質とコンクリート中の内部損傷
丸山一平1)
1) 名古屋大学大学院環境学研究科

課題番号                  :S-19-NU-0024

利用形態                :技術代行

利用課題名(日本語)    : セメント水和物の変質とコンクリート中の内部損傷

Program Title (English)    : Alteration of cement hydrate and internal damage in concrete

利用者名(日本語)         :丸山一平1)

Username (English)       :I. Maruyama1)

所属名(日本語)          :1) 名古屋大学大学院環境学研究科

Affiliation (English)       :1) Graduate school of environmental studies, Nagoya University

 

 

1.概要(Summary

コンクリート構造物の長期供用には、セメントが水として反応してできる水和生成物の性状を評価することと、コンクリートの内部の現象の理解が不可欠である。コンクリート中のセメントペーストと骨材の反応を確認するためにSEMでの分析を行なった。当研究室の機器では、反応を観察できる拡大性能を有していないため、FE–SEMを使用し、結晶構造および相組成の確認を目的としている。

 

2.実験(Experimental

試験体についてフィールドエミッション型走査型電子顕微鏡(JEOL社製 JSF-7500F)を用いて二次電子像による観察を行なった。本検討では、骨材とセメントペーストの間における反応および、反応における生成物に着目している。

 

3.結果と考察(Results and Discussion

測定の結果を図1および2に示す。FE-SEMの形態観察から、セメントペーストおよび骨材の周辺にケイ酸カルシウム水和物の1種であるトバモライトの生成が確認された。特に、図2の高倍率の画像では、プレート形状の結晶性のトバモライトが生成していることがわかる。

 

4.その他・特記事項(Others

本研究は、特に工学部機器分析室の林育生氏の助力を得た。ここに記して謝意を表する。

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation

特になし

6.関連特許(Patent

なし

図1 FE-SEM像(低倍率)

図2 FE-SEM像(高倍率)

 

 

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