利用報告書

ナノカーボン薄膜の合成と特性評価
上島 貢
日本ゼオン株式会社

課題番号 :S-18-KU-0014
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :ナノカーボン薄膜の合成と特性評価
Program Title (English) :Synthesis of nanocarbon thin films and characterization
利用者名(日本語) :上島 貢
Username (English) :M. Uejima
所属名(日本語) :日本ゼオン株式会社
Affiliation (English) :Zeon Corporation

1.概要(Summary )
カーボンナノチューブ(CNT)は、非常に高い電気伝導性を持っており、透明電極として期待でき、これに関して、これまでに多くの報告が成されて来た。本研究では、CNTに対して、簡便な、自立型CNTフィルムの作製に関する検討を行った。

2.実験(Experimental)
種々の重量比のCNTとCMCを超音波で分散し、上澄み80%を分離した。これを適当な濃度で、水希釈して溶液を調製した。また、CMCの代わりに界面活性剤を用いて、同様の実験を行った。得られた溶液をがらガラス基板にバーコート法やキャストし、フィルム形成を行った。次にこれを水中に浸し、自立型CNTフィルムが剥離するかについての検証を行った。
利用装置:電子状態測定システム

3.結果と考察(Results and Discussion)
得られたCMC分散CNT分散液の写真を図1に示した。これより、良好な分散が示唆された。

図2は、バーコート法によるガラス基板上のCNTフィルの写真を示している。やや透明度が悪いが、目視では、均質なフィルムが得られた。キャスト法では、これらより均質性が悪かった。バーコート法によるフィルムを水中に浸し、自立型CNTフィルムが剥離するかについての検証を行ったが、フィルムはばらけて、自立型CNTフィルムは得られなかった。CMCの代わりに界面活性剤を用い他場合も同様な結果であった。今後、CMCとCNTの重量比のさらなる検証などが必要であろう。

4.その他・特記事項(Others)
なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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