利用報告書

ハードコート剤の生成と評価
梶原鳴雪
1) 名古屋大学情報科学研究科複雑系科学専攻生命情報論講座

課題番号                :S-20-NU-0011

利用形態                技術代行

利用課題名(日本語)    :ハードコート剤の生成と評価

Program Title (English) :Formation and Estimation of Hard Coating Materials

利用者名(日本語)      :梶原鳴雪

Username (English)     :M.KAJIWARA

所属名(日本語)        :1) 名古屋大学情報科学研究科複雑系科学専攻生命情報論講座

Affiliation (English)  :1) Geaduate School , Information Science, Unite of Complex Systems,

Life Information Science, Nagoya University

 

 

1.概要(Summary )

脱炭素を実現する方法とし、例えば、エネルギー使用量の削減或いは材料の比重軽減等が考えられる。現在広くまた大量に使用されているガラスはその生成に高エネルギーが必要でありまた比重も大きく重い。製造の際にエネルギーが少なくまた軽量で、現在使用されているガラスのガラス代替材料の候補とし樹脂ガラスが注目されている。その候補樹脂はPMMA或いはPC樹脂である。しかしながら、そのままの状態では硬度等が低いので使用できない。透明性を維持し硬度等を上げるのにハードコート剤が有望視されている。そこで化学反応を利用し作業性良好な透明液体で光照射硬化する化合物を合成精製し、その化合物が目的の構造を有するかどうかをNMR等で調べる。また得られた目的生成物の硬化条件及び硬化膜の諸性質を調べる。

 

 

2.実験(Experimental)

ハードコート剤は無機化合物と有機化合物を有機溶媒中で化学反応させ、その後分離精製することによって、透明液体の無機-有機ハイブリット化合物が生成することがヨ予想される。目的の生成物が生成していることの確認法とし、500MHzNMR装置(Bruker 社製AVANCE IIIHD 500MHz)で調べる。目的の生成物の生成を確認後、生成物をPMMA基板に塗布し、最適機能を有する硬化膜の生成条件を、照射波長、光エネルギー密度及び膜厚等を変化し検討する。

 

 

 

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

有機溶媒を使用し反応温度50℃また反応時間20時間後、副生生成物をろ過しロ液を数回水で洗浄する。その後有機溶媒を無水硫酸ソダーで脱水乾燥した。その後ろ過し溶媒を減圧下で留去し、更に未反応の有機化合物を加温/真空蒸留すると、透明粘性液体が得られた。またその生成物をNMRで調べた結果、目的の構造を有する生成物に該当するシグナルが観測された。そこでその生成物をPMMA基板に塗布し種々の条件で照射硬化し、得られた硬化膜の諸物性を測定した。その結果樹脂ガラスとし機能する最適生成条件が分かった。

 

 

4.その他・特記事項(Other)

本課題の実施に当たり、測定は名古屋大学分子物資合成プラットフォ―ムの鳥居実恵博士に実施して頂いた。この場をかりで御礼申し上げます。

 

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

特になし

 

 

6.関連特許(Patent)

特になし

 

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