利用報告書

ハーブ・スパイス成分の生合成に関する研究
喜多 智子, 宮崎 明子

課題番号                :S-20-NM-0048

利用形態                :機器利用

利用課題名(日本語)    :ハーブ・スパイス成分の生合成に関する研究

Program Title (English) :Study on biosynthesis of herb and spice ingredients

利用者名(日本語)      :喜多 智子, 宮崎 明子

Username (English)     :T. Kita, A. Miyazaki

所属名(日本語)        :ハウス食品グループ本社(株)

Affiliation (English)  :1) House Foods Group Inc.

 

 

1.概要(Summary )

 

ハーブ、スパイスの成分(二次代謝産物)の生合成について研究を行なうため、レーザーマイクロダイセクション装置で、二次代謝産物を蓄積している細胞を切り出してRNA抽出し、逆転写反応によりcDNAライブラリを作成した。作成したcDNAライブラリを鋳型としてPCR反応を行ない、目的とする遺伝子の実体を取得した。

 

2.実験(Experimental)

 

【利用した主な装置】

レーザーマイクロダイセクション装置

サーマルサイクラ―

 

【実験方法】

レーザーマイクロダイセクション装置(ライカマイクロシステムズ:LMD7000)で、ハーブ・スパイスの切片から二次代謝産物を蓄積する細胞を切出し、RNAを抽出・精製した上で、逆転写反応でcDNAライブラリを作成した。作成したcDNAライブラリを鋳型とし、前年度のNGS解析で得られた配列データをもとに作成したプライマーでPCR反応を行なった。

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

 

前年度のNGS解析で、二次代謝に関連すると思われる遺伝子の配列コンティグが見つかった。今年度は、それらの遺伝子の実体を得ることを目的に、cDNAライブラリーを作成した。

 

組織全体から抽出したRNAから作成したcDNAライブラリには二次代謝を行なっていない細胞由来のものが多数混じるため、目的遺伝子を少量しか得ることができない。そこで、レーザーマイクロダイセクション装置で二次代謝産物を蓄積する細胞のみを切り出して抽出し、cDNAライブラリを作成した。

 

PCRのエラーリスクを減らすために、ユニバーサルプライマーによるPCR全増幅は行なわず、逆転写時には、SMART RACE cDNA Amplification Kit(Clontech社)でRACE反応用のアダプタープライマーを付加した。

 

NGSで判明している配列情報を元に、目的の転写因子の5’-RACEを行なったが、PCR産物を得ることができなかった。細胞中での元々の発現量が少ないため、また、アダプタープライマー付加反応の効率がそれほど良くないため、逆転写で作られる鋳型量が少ないのだと考えられた。

 

4.その他・特記事項(Others)

 

NIMS李香蘭氏、小原里美氏に支援を受けた。

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

 

なし

 

6.関連特許(Patent)

 

なし

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