利用報告書

ピリジンNオキシドを配位させた新規ポルフィリン鉄(III)錯体の合成と磁気的性質
池上崇久 1),石前裕樹 1)
1) 島根大学大学院総合理工学研究科

課題番号 :S-16-NS-1047
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ピリジンNオキシドを配位させた新規ポルフィリン鉄(III)錯体の合成と磁気的性質
Program Title (English) : Synthesis and properties of iron(III) porphyrin complexes coordinating Pyridine-N-oxides
利用者名(日本語) :池上崇久 1),石前裕樹
Username (English) :Takahisa IKEUE 1),Hiroki ISHIMAE1)
所属名(日本語) :1) 島根大学大学院総合理工学研究科
Affiliation (English) :1) Shimane University

1.概要(Summary )
ヘムタンパク質の触媒の活性中心は、鉄(IV)オキソラジカルカチオン種(Compound I)であり、非常に反応性が高く、モデル化合物の合成は難しい。特に、カタラーゼやチトクロームP-450のようなヘムの酵素においては、そのモデルの合成はされておらず、物性においてもわからないことが多い。本研究では、カタラーゼのモデル化合物として、ピリジンNオキシドを配位させた、Compound Iの合成を試見ることを目的として、研究を行った。その結果、新規、カタラーゼの活性中心のモデルの合成に成功した。 また、前駆体として、軸位にピリジンNオキシドが一分子配位した錯体の磁気物性について、ESRとSQUIDを用いて、検討を行った。
2.実験(Experimental)
ESR測定 : E500を用いて、4Kから30Kまでの温度で各錯体の測定を行った。それらの錯体は、溶液状態(トルエン・ジクロロメタン)で行った。
SQUID測定 : MPMS-7を用いて測定を行った。2K~300Kまでの温度範囲のMTカーブの測定を行った。
単結晶X線測定 : Rigaku社製MERCURY CCD-2を用いて、100Kで単結晶X線結晶解説を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
ESRの測定によって、カタラーゼのCompound Iの同定に成功した。また、ESRとSQUIDを用いて、前駆体である、軸位にピリジンNオキシドが一分子配位した錯体の磁気物性について検討を行い、S=5/2の高スピンであることを確認した。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) Y. Ide, N. Murai, H. Ishimae, M. Suzuki, S. Mori, M. Takahashi, M. Nakamura, K. Yoshino, and T. Ikeue, Dalton Trans., Vol. 46 (2017) p.p. 242-249.
(2) R. Fujishiro, H. Sonoyama, Y. Ide, S. Mori, T. Sugimori, A. Nagai, K. Yoshino, M. Nakamura, and T. Ikeue, Heterocycles, Vol. 94 (2017) p.p. 131-139.
(3) T. Tanaka, S. Ooi, Y. Ide, T. Ikeue, M. Suzuki, P. P.-Y. Chen, M. Takahashi, and A. Osuka, Eur. J. Inorg. Chem., accepted.
(4) Y. Ide, Y. Yamada, S. Mori, and T. Ikeue, X-ray Struct. Anal. Online, accepted.
(5) 井手雄紀, 石前裕樹, 鈴木優章, 森 重樹, 高橋 正, 中村幹夫, 吉野勝美, 池上崇久, 第27回基礎有機化学討論会, 2P049, 広島 (2016年9月).
(6) 石前裕樹, 井手雄紀, 山田祐也, 鈴木優章, 森 重樹, 高橋 正, 中村幹夫, 吉野勝美, 池上崇久, 2016年日本化学会中国四国支部大会, 2H09, 香川 (2016年11月).
(7) 桑原孝光, 井手雄紀, 森 重樹, 鈴木優章, 池上崇久, 2016年日本化学会中国四国支部大会, 1J10, 香川 (2016年11月).
(8) 井手雄紀, 石前裕樹, 山田祐也, 鈴木優章, 森 重樹, 中村幹夫, 池上崇久, 第55回電子スピンサイエンス学会年会SEST2016, 2P14, 大阪 (2016年11月).
(9) 田中隆行, 大井翔太, 井手雄紀, 池上崇久, 大須賀篤弘, 日本化学会第97春季年会, 3F6-09, 神奈川 (2017年3月).
(10) Yuki Ide, Hiroki Ishimae, Masaaki Suzuki, Shigeki Mori, Akira Ikezaki, Mikio Nakamura, Takahisa Ikeue, 日本化学会第97春季年会, 3C2-18, 神奈川 (2017年3月).
(11) 藤城 零, 園山隼人, 笹井 亮, 藤村卓也, 長井 篤, 吉野勝美, 池上崇久, 日本化学会第97春季年会, 3G3-59, 神奈川 (2017年3月).

6.関連特許(Patent)
なし。

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