利用報告書
課題番号 :S-15-NM-0061
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :フッ素樹脂塗布PET基板表面の紫外線照射による活性化
Program Title (English) :Activation of the PET film surface coated with fluorocarbon resin by UV irradiation.
利用者名(日本語) :大嶋優輔
Username (English) :Yusuke Ohshima1)
所属名(日本語) :1) 田中貴金属工業株式会社
Affiliation (English) :1) Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K.
1.概要(Summary )
プリンテッドエレクトロニクスの分野において、フレキシブルな基材に種々の機能性材料を塗布する技術は重要である。本実験では、フレキシブルな材料として一般的に使用されるPETフィルム表面に親撥処理を施し、その状態をラマン分光法により分析した。
2.実験(Experimental)
PETフィルムに、市販のフッ素樹脂溶液(A)をスピンコートにより塗布した。これを120℃で乾燥し、撥液性表面を有するPET表面を作成した。また、同様のフィルムにUV照射を行い、親水化した表面を有するPETフィルムも作成した。処理無しPET、撥液性PET、親水性PETそれぞれに対しレーザーラマン顕微鏡 (Raman plus)測定を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1に、処理無しPET(青線)と、撥液性PETフィルム(緑線)のラマン測定の結果を示す。処理無しPETに比べ撥液性PETは2900cm-1のピークが増大した。このピークはフッ素樹脂の官能基に由来する。一方、UV照射した親水性PETフィルムのラマン測定では、照射前の撥水性PETフィルムと一致するスペクトルを示した。各種溶媒の撥液性PETフィルム上での接触角測定においては、UV照射後に接触角変化が観測できているため、フッ素樹脂(A)の改質は起きているものと推測されるが、ラマン測定ではこの変化を確認することが出来なかった。
4.その他・特記事項(Others)
無し。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
無し。
6.関連特許(Patent)
無し。







