利用報告書

ボロンの2次元シート粉末に関する研究
西野弘晃 近藤剛弘
筑波大学数理物質系物質工学域

課題番号 :S-15-NM-0063
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ボロンの2次元シート粉末に関する研究
Program Title (English) :Study for two-dimensional boron sheet
利用者名(日本語) :西野弘晃 近藤剛弘
Username (English) :H. Nishino, T.Kondo
所属名(日本語) :筑波大学数理物質系物質工学域
Affiliation (English) :University of Tsukuba

1.概要(Summary )
 我々は二ホウ化マグネシウムをEDTA水溶液に室温大気圧下で投入すると、ボロンの2次元シートが形成することをこれまでの研究から明らかにしてきている(未発表状態)。本研究では、得られるボロンの2次元シートの特性、およびシートが形成するメカニズムを解明するための計測の一つとしてゼータ電位測定を行うことを目的としている。NIMSでのゼータ電位計測の結果、試料の調製条件に依らず中性水溶液中ではボロンの2次元シートが正のゼータ電位を示すことが明らかとなった。また、試料調製の際のpHが大きいほど得られる試料のゼータ電位が大きいことも分かった。吸着種の解析とともにその原因を今後詳細に詰めていく予定である。

2.実験(Experimental)
 二ホウ化マグネシウムをエチレンジアミン四酢酸(EDTA)水溶液に室温大気圧下で投入し、数日静置したのちに吸引濾過を行って沈殿物を回収した。この沈殿物を水に溶かした試料には窒素置換されたボロンシートが含まれていることがわかっており、その2次元シート物質に対して以下の測定を行った。
・レーザーゼータ電位計によるゼータ電位測定
・粒度分布測定装置による粒度分布測定

3.結果と考察(Results and Discussion)
 窒素置換されたボロンシートのゼータ電位測定を行った結果を図1に示す。試料の詳細は未発表の為記載できないが、ばらつきが認められ、他のキャラクタリゼーションと共に、試料調製へのフィードバック情報となる情報が得られた。試料調製の際のpHが大きいほど得られる試料のゼータ電位が大きいことも分かった。また、いずれの場合も正の値を示しており、調製条件に依らず、中性水溶液中でゼータ電位が正を示すことが明らかとなった。吸着種の解析とともにその原因を今後詳細に詰めていく予定である。

図1 調製条件の異なるボロン2次元シート粉末の
ゼータ電位測定結果

4.その他・特記事項(Others)
 レーザーゼータ電位計および粒度分布測定装置の使用方法や解析方法について詳細に教えていただきました李潔博士および箕輪貴司博士に深く感謝を申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
未定

6.関連特許(Patent)
未定

©2025 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.