利用報告書

ポリビニルアルコールの構造解析
金里脩平1), 木村佳弘1)
1) 日本酢ビ・ポバール株式会社

課題番号 :S-16-JI-0055
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :ポリビニルアルコールの構造解析
Program Title (English) :Structural analysis of poly (vinyl alcohol)
利用者名(日本語) :金里脩平1), 木村佳弘1)
Username (English) :S. Kanesato1), Y. Kimura1)
所属名(日本語) :1) 日本酢ビ・ポバール株式会社
Affiliation (English) :1) JAPAN VAM & POVAL CO.,LTD.

1.概要(Summary )
ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを鹸化することで得られる高分子であるが、原料である酢酸ビニルの重合条件により微細構造が変化し、最終的な物性も変化することが知られている。
ポリビニルアルコールの微細構造を決定する手法として、核磁気共鳴 (NMR) を用いる方法が古くから知られている。しかし、弊社が所有するNMR測定装置では、S/Nや解像度が悪く、微細構造を定量性良く分析することができなかった。
そこで、強力な磁場強度を持つAVANCE III 800 MHz (Bruker Biospin Inc.) を用いて、ポリビニルアルコールの微細構造の解析を行うことにした。
AVANCE III 800 MHzを用いて測定を行ったところ、S/Nや解像度が良いスペクトルが得られ、これらの微細構造を定量性良く分析することができた。

2.実験(Experimental)
北陸先端科学技術大学院大学に設置してあるAVANCE III 800 MHz (Bruker BioSpin Inc.) を用いて、1H NMRの一次スペクトル測定を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
AVANCE III 800 MHzで測定した1H NMRスペクトルをFigure 1に示す。
Figure 1のピークは、ポリビニルアルコール中に0.5~3 mol%程度含まれる微細構造を示している。
弊社が所有しているNMR測定装置ではS/Nが悪く、これらの微細構造を定量性良く分析することができなかった。一方で、AVANCE III 800 MHzを用いた場合、十分なS/Nを有するスペクトルが得られていることが分かる。Figure 1に示したスペクトルを用いて解析を行ったところ、ポリビニルアルコールに含まれる微細構造を定量性良く分析することができた。

Figure 1. ポリビニルアルコールの1H NMRスペクトル (AVANCE III 800 MHzで測定)。

4.その他・特記事項(Others)
NMR測定は、北陸先端科学技術大学院大学・大木進野教授に行っていただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

©2025 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.