利用報告書

ポリマーブラシを用いた高精度免疫センサの構築
愛澤秀信
国立研究開発法人産業技術総合研究所

課題番号 :S-18-NM-0060
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ポリマーブラシを用いた高精度免疫センサの構築
Program Title (English) :Constructed of high-sensitivity immuno-sensor using polymer brushes
利用者名(日本語) :愛澤秀信
Username (English) :H. Aizawa
所属名(日本語) :国立研究開発法人産業技術総合研究所
Affiliation (English) :National Institute of Advenced Industrial Science Technology (AIST)

1.概要(Summary )
センサ上への抗体固定化量増加による高精度免疫センサ構築に向けたポリマーブラシ合成を試みた. ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて合成ポリマーブラシの分子量および多分散度を解析した.合成ポリマーの多分散度が1.1~1.2に近似しており,精密制御されたポリマー合成を確認した.
2.実験(Experimental)
Poly (tert-Butyl Acrylate, (t-BA))の合成は, Initiators for Continuous Activator Regeneration (ICAR) Atom Transfer Radical Polymerization (ATRP)およびActivators ReGenerated by electron Transfer (ARGET)の2つの異なるATRP法で実施した. Poly(t-BA) は, THFで濃度1mg/mlになるよう溶解し, 0.45μmのフィルターでろ過した. GPC較正曲線は, 標準ポリスチレンキット PSt Quick A (TOSOH)を用いて作成し, 各試料の溶出速度から重量平均分子量 (Mw), 数平均分子量 (Mn)および多分散度 (Mw/Mn)を算出した.GPC-101 (Shodex)に水系SECカラム SB-802.5HQ (~10,000, Shodex), SB-804HQ (~1,000,000, Shodex)を装着し, カラム温度40℃, 流量0.5 ml/min, 測定側圧力2.8MPa, 参照側圧力5.3MPaの条件で測定した. オートサンプラー (AS-101, Shodex)で試料100μlを注入後40分間の示差屈折率検出器 (RI-71, Shodex)で屈折率変化量を測定した. GPCの操作とデータ収集はSIC-480II, ASTRA Ver. 5.3にて行い, MwおよびMnを求めた.
3.結果と考察(Results and Discussion)
Table1にGPC測定結果を示す.異なる2つのATRPによるPoly(t-BA)合成において多分散度が1に近似することから, モノマーとして用いたt-BAにおいても合成の精密制御が可能であることが分かった.
各試薬の添加比率によって多分散度が変化することから, ポリマーの多分散度が試薬添加比率に依存していることが示唆された.本検討では,従来に比べて合成時に添加する重合開始剤, 配位子および還元剤の添加量の誤差を抑制するため,合成も用いる試薬量を増やしたことや,オイルバスへの変更もポリマー合成時の変動抑制と精密制御に寄与したと考えられる.今後は, 各試薬の添加比率と合成時の温度の依存性を探索するとともに, 確率した合成条件を用いてセンサ上へのポリマーブラシ合成を試みる.
Table 1 Poly(t-BA)のGPC測定結果
ATRPの種類 Mw Mw/Mn
ICAR 12944 1.07
16377 1.07
18658 1.10
ARGET 12043 1.10
19266 1.22

4.その他・特記事項(Others)
装置利用に関してご助言くださったナノテクノロジー融合ステーション ナノバイオグループ グループリーダー 箕輪貴司博士, 同グループ 主任エンジニア 竹村太郎博士, 分子・物質合成プラットフォーム NIMSエンジニア 服部晋也博士に感謝いたします.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 小澤佑佳, 山田和典, 木村悠二, 愛澤秀信, 第51回日本大学生産工学部学術講演会, 平成30年12月1日.
(2) 小澤佑佳, 愛澤秀信, 木村悠二, 山田和典, 第28回MRS年次大会, 平成30年12月19日.
(3) 小澤佑佳, 愛澤秀信, 山田和典, 羽部浩, 第10回 E&Eフォーラム講演会, 平成30年12月21日.
6.関連特許(Patent) なし.

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