課題番号 ：S-15-JI-0004
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：ポリマー材料の組成比解析（1）、（2）
Program Title (English) ：Composition ratio analysis of polymer material (1),(2)
利用者名（日本語） ：室井佑介1), 向山高広2)
Username (English) ：Y. Muroi1), T. Mukaiyama2)
所属名（日本語） ：大阪有機化学工業株式会社
Affiliation (English) ：Osaka Organic Chemical Industry Ltd.

１． 概要（Summary ）
粘着剤等のポリマー基材では末端基に機能性部位を導入することによる物性改良が有力であり、様々な骨格の導入が検討されている。しかし、末端基含量は微量であるため、NMR測定した場合に感度が低いことが問題であり、それを補うために積算回数を多くする必要がある。その結果、1検体の測定時間が非常に長くなっている。
そこでクライオプローブを用いて感度を向上させることにより、測定精度の向上または測定時間の短縮が図れるか検討を行った。その結果、1H測定ではピーク半値幅が20～50%縮小し、13C測定ではS/N比が3倍に向上した。（前回報告書　S-14-JI-0004参照）
　今回はポリマー中の含量が少ない末端基で、当社装置ではピーク検出が困難なポリマー製品を測定した。その結果、S/N比が向上しピークを検出することができた。

２．実験（Experimental）
測定装置 (当社装置、比較用)
装置名 AvanceⅢ ECX-500
装置ﾒｰｶｰ Bruker JEOL
ｸﾗｲｵﾌﾟﾛｰﾌﾞ あり なし
共鳴周波数 400MHz 500MHz

13C測定条件
サンプル名：ポリマーA　33%クロロホルム溶液
サンプルチューブ径：5mm
積算回数：8000回

３．結果と考察（Results and Discussion）
ポリマー製品中の目的末端基の組成比は理論値で0.1～5mol%と低く、当社装置ではピーク検出が困難となった（図1参照）。それに対し クライオプローブを用いた装置ではS/N比が向上し、ピークが検出できた（図2参照）。

図1　ECX-500での13C測定結果

図2　AvanceⅢでの13C測定結果

４．その他・特記事項（Others）
前回報告書： S-14-JI-0004

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
なし

６．関連特許（Patent）
なし