利用報告書
課題番号 :S-16-OS-0051
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :マイカ基板での金薄膜清浄表面の作製
Program Title (English) :Fabrication of gold thin film on mica surface
利用者名(日本語) :山西 絢介
Username (English) :J. Yamanishi
所属名(日本語) :大阪大学, 大学院工学研究科, 精密科学・応用物理学専攻
Affiliation (English) :Dept. of Applied Physics, Grad. School of Engineering, Osaka University
1.概要(Summary)
探針と試料との光学的な相互作用を検出し、回折限界を超えて高分解能で光学測定を行う顕微鏡の開発を行っている。その試料作製のために大阪大学ナノテクノロジー設備供用拠点を利用した。クリーンで平坦なAu試料表面をマイカ上に作製する必要がある。できるだけ光の透過性を上げるために膜厚は30nm程度で作製したい。そのため、蒸着レートを高くするため(5Å/min程度)基板温度を450℃程度に保って蒸着する必要がある。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
ナノ薄膜形成システム(EB蒸着)
RFスパッタ装置(SVC-700LRF)
【実験方法】
EB蒸着装置およびRFスパッタ装置を用いて、加熱状況下でマイカ基板上に金薄膜を作製した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Fig. 1に、マイカ上の膜厚15 nmで作製したAu薄膜のAFM像(1.5 μm x 1.5 μm)を示す。基板温度を500℃以上に保った状態でのEB蒸着では、このような平坦で連続性のある表面が得られた。RFスパッタを用いて作製した試料では、結晶化が進まず平坦なものは得られなかった。その原因として、基板温度が300℃までしかあげることが出来なかったためであると考えられる。EB蒸着とRFスパッタを用いたどちらの場合でも、特徴的なAu(111)再構成表面であるヘリングボーン構造はみられなかった。EB蒸着で作製した基板上に真空スパッタによって、再度Auを蒸着させ、650℃で加熱すると、ヘリングボーン構造が得られた(Fig. 2)。
Fig. 1 AFM image
Fig. 2 AFM image (herringbone structure)
4.その他・特記事項(Others)
・科学研究費補助金特別研究費奨励費(A16J003040)
・関連する課題番号:F-16-OS-0064
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







