利用報告書
課題番号 :S-18-MS-0026
利用形態 : 協力研究
利用課題名(日本語) :マイクロチャンバーを利用した細胞融合系の確立
Program Title (English) :Establishment of cell-fusion system using microchamber
利用者名(日本語) :坪内知美
Username (English) :T.Tsubouchi
所属名(日本語) :基礎生物学研究所
Affiliation (English) :National Institute for Basic Biology
1.概要(Summary )
本研究では体細胞に分化多能性が導入される過程における核内動態を明らかにすることを目的としてマイクロチャンバーを用いた細胞融合系の確立を目指している。一般的に用いられているiPS法は少数の多能性制御因子を強制発現するだけの非常に簡便な系であるが、低効率で時間もかかるため、多能性誘導過程を追跡することが非常に困難である。これに対し細胞融合法では多能性因子の発現が10%程度の融合細胞について数日の間に起こるため、多能性誘導の初期過程を追跡するのに有効である。しかしながら、細胞融合効率が低いために、融合細胞の特定が困難である。そこで本研究ではマイクロチャンバーを用いることで狙った細胞同士の1:1融合を高効率で達成する。マイクロチャンバーは既に実績のあるデザインを基盤として、目的に応じたデザインに改変する。このことで多能性誘導過程の一細胞解析が可能になるだけでなく、iPS法に並ぶ多能性誘導系として細胞融合系が確立されることが期待される。
2.実験(Experimental)
装置開発室チームと相談させて頂いた上で鋳型の作成方法、デザインを検討し、試作品を作成して頂いた。マスクレス露光装置を用いたリソグラフィ技術でマイクロ流路の鋳型を作成した。デザインは東京大学のものを参考にした(4参照)。この鋳型にPDMSを流し込みマイクロ流路部分を作成し、細胞が導入できるように吸い口を作成した。これを、スパッタ装置を使って電極としてアルミ蒸着したプレート上に吸着させた。出来上がった流路に細胞を導入し、電気をかけることで電気融合を試みた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
概ねデザイン通りのチャンバーが完成したが、細胞融合面の幅が広くなってしまう傾向があった。細胞導入、電気融合はある程度達成できた。今回鋳型にはポジ型のレジストを用いたので、そのせいでz方向にテーパー構造となると考えられた。装置開発室のメンバーに相談し、鋳型に用いるレジストをネガ型に変更し、デザインもより精度の出しやすいものに変更した上で電気条件を更に検討していく。
4.その他・特記事項(Others)
(参考文献)
Techaumnat et al., 2008 High-yield electrofusion of biological cells based on field tailoring by microfabricated structures IET Nanobiotechnol., 2(4) 93-99
(謝辞)
東京大学工学部鷲津研究室
(株)ネッパジーン
さきがけ「ゲノム合成」JPMJPR18K8
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







