利用報告書
課題番号 :S-17-SH-0023
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :メカノケミカル法を用いて作製した複合粒子の特性解析
Program Title (English) :Characteristic analysis of composite particles prepared by mechanochemical method
利用者名(日本語) :吉岡 謙
Username (English) :K.Yoshioka
所属名(日本語) :KOA株式会社
Affiliation (English) :KOA Corporation
1.概要(Summary )
ナノサイズの導電性粒子であるRuO2粒子(子粒子)を線膨張率の小さい(0.5ppm/K)ミクロンサイズの絶縁性粒子であるSiO2粒子(母粒子)表面に修飾することで,凝集性の高いナノ粒子を効率的にミクロン粒子表面に分散固定化すると同時に,RuO2粒子をガラスマトリックス中に分散固定化したコンポジット膜である抵抗皮膜の線膨張率を低減化することを目指した。
2.実験(Experimental)
サブμm~数μmサイズの溶融球状SiO2粒子表面に,数十nmサイズのRuO2ナノ粒子を,メカノケミカル的な手法で修飾した複合粒子を作製した。
複合化する時のSiO2粒子のサイズを変えて,処理後の状態をマクロ的には粉体抵抗(2探針法)測定装置,ミクロ的にはTEMを用いて評価を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
表1に各粉体の100N加圧時の圧密度と比抵抗の測
定結果を示す。SiO2粒子とRuO2粒子の真密度が各々2.6,7(g/cm3)であるのに対して,試料1の圧密度はSiO2粒子の真密度よりかなり高くなっている。これは,SiO2粒子が圧壊したと推測される。また,試料4を除くと,SiO2粒子に対してRuO2ナノ粒子の量が増加すると,圧密度が増加することが確認できた。一方,比抵抗を試料2~5で比較すると,SiO2粒子に対してRuO2粒子の量が増加してくると,比抵抗が増加してくることが確認できた。
図1に試料1と5のTEM像を示す。両方SiO2粒子のRuO2粒子による修飾が不完全であることが確認できた。
4.その他・特記事項(Others)
TEM観察は山上技官,粉体抵抗測定は森本研究員にご協力いただいた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし