課題番号 ：S-20-OS-0009　
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：メタマテリアルによるテラヘルツ波の高度応用
Program Title (English) ：Application of the metamaterial for Terahertz wave devices
利用者名（日本語） ：中嶋 誠, 鐵川照英 ,小池遥平, V. Mag-usara
Username (English) ：M. Nakajima, S. Tetsukawa, Y. Koike, V. Mag-usara
所属名（日本語） ：大阪大学レーザー科学研究所
Affiliation (English) ：Institute of Laser Engineering, Osaka University

１．概要（Summary ）
テラヘルツ領域に共鳴を持つ金属メタリアルを作成することで、テラヘルツ波の電場や磁場の効果を増強し、テラヘルツ波による物性制御を試みた。また、磁性体および非磁性金属薄膜によるヘテロ構造試料を作成し、光照射によりテラヘルツ波の観測に成功した。光誘起スピン流とテラヘルツ波放射の関係について調べた。

２．実験（Experimental）
S10 RFスパッタ装置
スパッタ装置を用いて、0.5 mm厚の合成石英基板の上に、磁性金属であるコバルト5 nmおよび非磁性金属であるプラチナ５ nmを作製した。試料表面にフェムト秒パルスレーザー800 nmを照射し、試料表面より放射されるテラヘルツ波をEOサンプリング法により検出した。外部より磁場および電圧を印加することにより、偏光の変化を調べた。 LEDリソグラフィを利用し磁性体ヘテロ構造の微細アンテナを作成した。

３．結果と考察（Results and Discussion）
図1が、観測されたテラヘルツ波である。石英基板にコバルトおよびプラチナをつけ、テラヘルツ光源を作製した。フェムト秒パルスレーザーで試料表面を励起することにより、スピン流が生じ、スピン流が界面に到達することで逆スピンホール効果が生じ、スピン流―実電流変換が行われ、この効果により外部にテラヘルツ波が放出される。磁性体ヘテロ構造にアンテナ構造を導入することで、テラヘルツ波強度の増強を確認することに成功した。

Fig.1 Terahertz waveforms from Co/Pt heterostructures excited by ultrashort laser pulses.

４．その他・特記事項（Others）
なし

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
(1) M. Talara, et. al., Appl. Phys. Express (2021, accepted).

６．関連特許（Patent）
なし