利用報告書

ラタン(籐)の組織構造の特徴が吸着機能に与える効果の解明
野々山 正紀
有限会社 野々山籐屋

課題番号 :S-16-NU-0028
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :ラタン(籐)の組織構造の特徴が吸着機能に与える効果の解明
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :野々山 正紀
Username (English) : M. Nonoyama
所属名(日本語) :有限会社 野々山籐屋
Affiliation (English) :Nonoyama-touya Co., Ltd.

1.概要(Summary )
これまでナノテクノロジープラットフォームを利用してスティック状籐消臭剤(ムッシュラタン)の煙草の煙の消臭機能について、走査型電子顕微鏡による煙吸着挙動の可視化、熱重量測定を使用した煙吸着速度の定量化などを進めてきた。今回は、籐の多孔性構造が吸湿挙動や煙吸着挙動に寄与する効果を定量化するため、籐スティックの切り口断面や外皮の影響を調べることに取り組んだ。

2.実験(Experimental)
(1)吸湿挙動
3cm程度に切り取った籐スティックの外皮をはぎ取った試料を作製するとともに、切り取り断面を接着剤で封止した試料を作製した。外皮の有無、断面封止の有無の組合せを変えた4種の試料について、減圧乾燥により試料水分を除去した後、90%RH以上の湿度雰囲気下にあるデシケータ-内に放置することで、各試料の重量経時変化を測定した。
(2)煙吸着挙動
上記の4種試料をPETボトルを切り取って作製した鐘楼状の筒内に吊り下げ、蚊取線香の煙を筒内に導入して各試料の重量経時変化を測定した。
本年度の利用で、登録装置の使用はなかったが、大学内実験器具を使用した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
(1)吸湿挙動実験
図1に、8時間までの吸湿による試料重量の増加に対
する外皮の有無、茎断面を塞いだときの影響をプロットした。籐スティックの外皮を残していたものに比べ、外皮を切除したものの吸湿速度は、3割近く増加する結果であった。両断面を接着剤封止した試料でも、外皮を切除すると吸湿速度は4割以上増加した。また、両断面を接着剤封止すると、外皮の有無にかかわらず吸湿速度は3割程度減少した。このように、比較的短時間領域での吸湿速度には籐の組織構造の特徴が反映されることが確認できた。

図1.籐形状が吸湿速度に与える影響。

(2)煙吸着挙動
約5.5時間の煙にさらす実験を行ったが、今回の実験条件では、重量変化として有意に煙を吸着させることは
できなかった。

4.その他・特記事項(Others)
本利用にあたって、名古屋大学分子・物質合成プラットフォーム 坂口佳充特任教授、技術支援員 伊藤始様の支援をいただいたことに感謝いたします。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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