利用報告書
課題番号 :S-15-NM-0065
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ラマン分光による生体分子の放射線損傷観察
Program Title (English) :Observation of radiation damage of biomolecule using Raman microscope
利用者名(日本語) :平野祥之1),
Username (English) :Yoshiyuki Hirano1)
所属名(日本語) :1) 群馬大学重粒子線医学研究センター
Affiliation (English) :1) Gunma University Heavy Ion Meical Center.
1.概要(Summary )
X線や粒子線の異なる生物学的効果の原因として生体分子の損傷パターンや損傷密度(電離密度)の違いが考えられる。その生体分子の損傷を観察するための一つの有用な手段としてラマン分光が挙げられる。先行研究としてはDNAのX線、陽子線照射前後のラマン分光観測がある。本研究では、まず、より簡単な分子としてアデニンの粉末をX線および炭素線で照射して、そのラマンスペクトルの変化を観察する。次のステップとして、プラスミド溶液で同様な観測を行う。これらの結果から、塩基損傷や一重鎖切断、二重鎖切断等の損傷の観測および定量測定の可能性について検討する。最終的には、これまでに観測した損傷のラマンスペクトルを基に、照射された細胞の放射線損傷分布をラマン顕微鏡でイメージングすることを目指す。
2.実験(Experimental)
粉末アデニン分子をX線で20Gy程度、380MeV/uの炭素線のテールで20Gy照射した。照射したサンプルを高速レーザーラマン顕微鏡(ナノフォトン RAMANplus)でラマンスペクトルを測定し、比較した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
粉末サンプルにおいて、それぞれ5点ラマンスペクトルを取得したが、X照射と炭素線照射で差異が見られなかった。しかし、これは実際に差異がなかったというよりも、各スポットでのばらつきが大きかったためだとかんがえられる。本実験においては、ラマン顕微鏡を用いるよりもバルク測定の方が適切だったと考えており、再実験する予定である。
4.その他・特記事項(Others)
該当なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
該当なし
6.関連特許(Patent)
該当なし







