利用報告書

ラマン分光法によるポリマー材料のイメージング解析
玉木淑子
三菱ケミカル株式会社

課題番号 :S-18-NM-0025
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :ラマン分光法によるポリマー材料のイメージング解析
Program Title (English) :The imaging analysis of polymeric materials by Raman spectroscopy
利用者名(日本語) :玉木淑子
Username (English) :Y.Tamaki
所属名(日本語) :三菱ケミカル株式会社
Affiliation (English) :Mitsubishi Chemical Corporation

1.概要(Summary)
 ラマン分光法は、物質の化学構造に関する情報を得ることができるため、種々材料の分析に有力な手法である。
 我々は市販のアクリル板について3Dイメージングラマンスペクトルを測定した。ピーク強度を解析した結果、アクリル板に含まれる構成成分の分散状態を明らかにすることができた。

2.実験(Experimental)
 市販のアクリル板をスライドガラスにのせて測定に供した。ラマンスペクトルの観測には高速レーザーラマン顕微鏡(ナノフォトン社RAMAN plus)を用い、励起光の波長は532nm、対物レンズの倍率は100倍を使用した。試料の80μm(X)×5μm(Y)×5μm(Z)の領域について、3Dイメージングラマンスペクトルを取得した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 試料の3Dイメージングラマンスペクトルについてピーク強度解析を行った。Fig.1にピーク強度のイメージ図を示す。緑色は990cm-1ラマンピークの強度分布を表し、赤色は445cm-1ラマンピークの強度分布を表す。

Figure 1 The X-Y and X-Z sliced images of intensities of the two Raman peaks (green 990cm-1, red 445cm-1)

Fig.1より、構成成分の分布状態を可視化することができた。現在、継続して解析中である。

4.その他・特記事項(Others)
 本研究は、文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業(NIMS分子・物質合成プラットフォーム)の支援を受けて実施されました。装置の使用方法をご指導いただいた服部晋也博士、研究を円滑に進めるためにご協力いただいた 星川朱美氏ならびに箕輪貴司博士に深く感謝致します。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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