利用報告書

レーザー加工におけるレーザー照射材料の評価手法の開発
小川博嗣1)
1) 産業技術総合研究所 分析計測標準研究部門

課題番号                 :S-18-NM-0004

利用形態                            :機器利用

利用課題名(日本語)          :レーザー加工におけるレーザー照射材料の評価手法の開発

Program Title (English)         :Development of evaluation methods for laser irradiated material in laser processing

利用者名(日本語)        :小川博嗣1)

Username (English)            :H. Ogawa1)

所属名(日本語)          :1) 産業技術総合研究所 分析計測標準研究部門

Affiliation (English):1) Research Institute for Measurement and Analytical Instrumentation,

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)

 

 

1.概要(Summary)

本研究では、レーザー加工におけるレーザー照射条件(波長、パルス幅、エネルギー、繰り返し周波数等)の違いによる加工材料への照射影響を評価する手法を開発している。これらの評価により材料に対して最適なレーザー加工パラメータを決定する方法論を確立することを目指している。本研究課題では、高速レーザーラマン顕微鏡を用いたレーザー加工材料の改質等の特性変化を解析する手法の検討を行う。

 

2.実験(Experimental)

【利用した主な装置】

【実験方法】

本研究課題のレーザー加工対象材料としてポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いた。赤外フェムト秒レーザーにより、PDMSの表面に穴加工を行い、高速レーザーラマン顕微鏡によりレーザー加工表面の観察を行った。ラマン測定は、励起波長532nm、グレーティング2400gr/mmおよび100倍対物レンズを主に使用し実施した。

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

PDMSをレーザー照射により穴加工したサンプルのラマンスペクトル例をFig.1に示す。レーザー未照射領域に存在するポリマー主鎖に由来するSi-O-Siのピーク(488cm-1付近)が、レーザー照射領域で減少するとともに、511cm-1付近にピークが出現している。このピークはレーザー照射により主鎖が切断され形成されたナノSi粒子に起因しており、レーザー加工影響の評価に当手法を活用できることが確かめられた。今後、当手法を用いてレーザー照射条件の違いによるPDMSの照射影響の解析を行う予定である。

Figure1: Raman spectra of PDMS with and without laser irradiation.

 

4.その他・特記事項(Others)

本研究の一部は、文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業(NIMS分子・物質合成プラットフォーム)の支援を受けて実施されました。本研究を遂行するにあたり、物質・材料研究機構 服部晋也様、竹村太郎様にお世話になりました。この場を借りて御礼を申し上げます。

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

(1) H. Ogawa et al., ‘Unoccupied Electronic Structures and Applications of Organosilicon Polymers’,14th International Conference on Atomically Controlled Surfaces, Interfaces and Nanostructures (ACSIN-14), 2018/10/23.

 

6.関連特許(Patent)

なし。

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