利用報告書

レーザー顕微鏡による塗膜の観察
朴俊満
株式会社伊勢半 分析研究課

課題番号 :S-18-NM-0053
利用形態 :技術補助
利用課題名(日本語) :レーザー顕微鏡による塗膜の観察
Program Title (English) :Observation of Coating-Film by 3d Measuring Laser Microscope
利用者名(日本語) :朴俊満
Username (English) :PARK JOONMAN
所属名(日本語) :株式会社伊勢半 分析研究課
Affiliation (English) :ISEHAN Co.,Ltd

1.概要(Summary)
様々な分析装置を駆使し検討し、化粧品の塗布膜構造を解析する

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
 3d レーザー顕微鏡装置
【実験方法】
測定のために塗布体に塗布剤を3回塗布させたものをサンプルとした。そのサンプルを3Dレーザー顕微鏡で観察した。

3.結果と考察(Results and Discussion)

Fig 1. Observation of Coating film by 3d Measuring Laser Microscope
Figure 1に塗布剤の表面粗さを比較するために3Dレーザー顕微鏡(Olympus IMS,OLS3500)を用いて測定した結果を示す。データを見ると塗膜の一部分にノイズ(黄色の丸)が発生しているのがみられる。一番の原因として考えられるのはレンズの収差の問題がある。3Dレーザー顕微鏡で3次元像を得るために標本の上から下までセクショニングしていくが、その範囲のすべての焦点位置において収差が補正されていることが要求される。その誤差の補正でノイズが発生する。また、レンズ収差のほかに、レーザーの走査の精度も問題となる。ミラーの機械的な動きによって走査する方法の場合、実際には走査線にかなりのぶれが生じる。光電子増倍管からのシグナルから画像を構築するときには、レーザーは完全に直線的に走査されているものとして処理しているので、走査線のぶれは画像の歪みとなって現れ、像の正確さを低下させる結果となる。つまり3Dレーザー顕微鏡が従来の顕微鏡に比べて優れている点も多いが、実際にはまだ多くの問題点が残されているのも事実である。その中でも塗膜の評価として一番の弱点は「広い範囲の測定が不可能」ということである。塗布剤塗膜の凹凸観察の為にその問題点を排除して検討する必要がある。

4.その他・特記事項(Others)
本研究を遂行するにあたり、物質・材料研究機構 服部晋也様、竹村太郎様に支援を受けた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

©2025 Molecule and Material Synthesis Platform All rights reserved.