利用報告書

両親媒性ペプチドによる部位特異的脂質化抗体の合成
高原 茉莉
北九州工業高等専門学校

課題番号 :S-19-KU-0003
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :両親媒性ペプチドによる部位特異的脂質化抗体の合成
Program Title (English) :Site-specific lipidation if antibodies using amphiphilic peptides
利用者名(日本語) :高原 茉莉
Username (English) :M. Takahara
所属名(日本語) :北九州工業高等専門学校
Affiliation (English) :National Institute of Technology, Kitakyushu College

1.概要(Summary )
近年、薬物送達キャリアの脂質二重膜 (リポソーム)に、標的指向部位となる脂質化抗体を組合わせたイムノリポソームが注目されている。イムノリポソームは、リポソームの高い薬剤搭載量と抗体の標的送達性を有するが、抗体が変性しない条件で部位特異的に脂質修飾を施す必要がある。しかし、疎水性の高い脂質を、水溶性の抗体が変性しないように狙った部位で修飾するのは未だに困難である。そこで本研究では、架橋酵素トランスグルタミナーゼの触媒機能と、その人工基質となる両親媒性脂質化ペプチドを用いて、部位特異的脂質化抗体合成技術を確立する。本課題では、脂質化ペプチド及び得られた脂質化モデルタンパク質の同定を、ナノテクPF登録装置を利用して行った。

2.実験(Experimental)
新規に合成した脂質化ペプチドを、MALDI-TOF質量分析装置により同定した。同定した脂質化ペプチドを、トランスグルタミナーゼによりモデルタンパク質と部位特異的に架橋することで、脂質化タンパク質を調製した。得られた脂質化タンパク質の脂質修飾数・分子量も同様に、MALDI-TOF質量分析装置で解析した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
脂質化ペプチドは質量分析結果より、理論値と一致したピークを示したため、合成の同定を確認した(図1)。さらに、得られた脂質化タンパク質を質量分析すると、反応前のタンパク質単体と比較すると、反応後でペプチド1分子量に相当するピークのシフトが観測された (図2)。以上より、トランスグルタミナーゼと脂質化ペプチドを用いた定量的且つ部位特異的な脂質化タンパク質の合成に成功したことを確認した。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 高原 茉莉, 若林 里衣, 南畑 孝介, 後藤 雅宏, 神谷 典穂, 第13回バイオ関連化学シンポジウム,令和元年9月4日.
(2) 高原 茉莉, 若林 里衣, 南畑 孝介, 後藤 雅宏, 神谷 典穂, 第29回日本MRS年次大会,令和元年11月27日.
6.関連特許(Patent)
なし

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