利用報告書

主鎖改変型ペプチドの剛直性評価
森本淳平1), 渡邊拓夢1), 浅田瑞枝2), 中村敏和2)(1) 東京大学大学院工学研究科, 2) 分子科学研究所)

課題番号 :S-20-MS-1084
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :主鎖改変型ペプチドの剛直性評価
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :森本淳平1), 渡邊拓夢1), 浅田瑞枝2), 中村敏和2)
Username (English) :J. Morimoto1), T. Watanabe1), M. Asada2), T. Nakamura2)
所属名(日本語) :1) 東京大学大学院工学研究科, 2) 分子科学研究所
Affiliation (English) :1) Graduate school of Engineering, Tokyo University, 2) Institute of Molecular Science

1.概要(Summary )
パルス電子-電子二重共鳴(DEER/PELDOR)法は、電子スピン共鳴法(ESR)を用いた測定手法の一種で、試料中のスピン間の距離をよい精度で測定することができる。DEER測定結果について、Tikhonov regularizationプログラムを用いた解析を適用することにより、各距離がどれだけの分布幅を持っているか(距離分布の形)を解析できる。
本研究では、ペプチドオリゴマー分子(ペプトイド)の両端にスピンラベルを導入し、DEER測定により距離と距離分布を調べることにより、試料の剛直性を確認する。ペプトイドの生体安定性および生体膜透過性の向上を目的として、分子設計を行う。

2.実験(Experimental)
新規に合成したペプチドオリゴマー分子の両末端にスピンラベルを結合させた。Bruker EMXおよびE500を用いてCW-ESR測定を行い、スピンラベルの信号強度を比較し、試料中のスピン濃度と1分子当たりのラベル率を見積もった。TEMPO 100μM溶液と比較することで、絶対的なサンプル中のスピンラベル濃度を定量し、ペプチドオリゴマー分子に結合したスピンラベルの溶液中での安定性を調べた。また、Bruker E680を用いたパルスDEER/PELDOR法により、オリゴマー末端間の距離測定を行った。DEERAnalysisプログラムによるTikhonov regularizationを適用し、距離および距離分布を解析した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
DEER測定により得られた距離および距離分布から、ペプチドオリゴマー分子の剛直性について確認した。構造の異なる分子の距離分布を比較し、分子設計について考察した。DEER信号形から得られた距離分布の差はわずかだったため、より差を明確に解析するために異なる溶媒や長い分子について同様にDEER測定を行い、結果を比較する。現在、実験結果をTikhonov regularizationにより解析中である。

4.その他・特記事項(Others)
なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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