課題番号 ：S-15-MS-0045
利用形態 ：共同研究
利用課題名（日本語） ：二酸化炭素の多電子還元
Program Title (English) ：Multi-electron reduction of carbon dioxide
利用者名（日本語） ：永井琢也, 小澤智宏, 増田秀樹
Username (English) ：T. Nagai, T. Ozawa, H. Masuda
所属名（日本語） ：名古屋工業大学大学院工学研究科
Affiliation (English) ：Graduate School of Engineering, Nagoya Institute of Technology

１．概要（Summary ）
　当研究室ではこれまでに二酸化炭素を電気化学的に還元するための触媒の開発を行ってきた。今回我々が開発したNi触媒は二酸化炭素をギ酸へと変換している可能性が考えられたため、正岡准教授の研究室にある装置を用いて定量分析を試みた。残念ながら、今回我々が調整した濃度においては正確な定量ができなかったが、ギ酸の生成を確認することが出来た。
２．実験（Experimental）
・使用した装置の名称
島津高速液体クロマトグラフProminence
吸光光度検出器 SPD-20A
示差屈折率検出器 RID-10A
ワークステーション Labsolutions LC/GC
・実験操作
ギ酸ナトリウムを用いて調整した標準液を50マイクロリットル注入、分析し、得られたピーク面積を用いた検量線を作成し、定量を行った。その後、Ni錯体を用いて二酸化炭素を定電位電解を行った電解サンプルの分析を行った。
３．結果と考察（Results and Discussion）
　今回二酸化炭素からギ酸への生成が確認されたNi錯体を以下に示す。

この錯体には配位子内にイミダゾリウム型イオン液体部位が修飾されており、このイオン液体部位が存在しない錯体よりも多くのギ酸を生成している可能性が示唆されている。そのため本錯体は以下のような反応スキームで二酸化炭素をギ酸へと変換していると考えられる。

今後はスケールを大きくし、正確なギ酸の定量を目指す。
４．その他・特記事項（Others）
なし。
５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
・　第２５回MRSシンポジウム（ポスター）
「イミダゾリウム型イオン液体修飾 Ni(II)錯体による二酸化炭素の電気化学的還元」◯永井琢也,片山 精,小澤智宏,猪股智彦,増田秀樹(名工大院工)
・ 錯体化学会第６５回討論会（ポスター：ポスター賞受賞）
「イオン液体修飾 Ni(II)錯体による電気化学的な CO2 還元反応の検討」
◯永井 琢也・片山 精・小澤 智宏・猪股 智彦・増田 秀樹（名工大院工）
・ 第５回CSJフェスタ２０１５　（ポスター：　ポスター賞受賞）
「イオン液体部位を有するNi錯体を用いたCO2還元反応の検討」○永井琢也・片山　精・猪股智彦・小澤智宏・増田秀樹（名工大院工）
６．関連特許（Patent）　
なし