利用報告書

光バイオセンサの研究
多田啓二,河尻武士,梶祥一朗(古野電気株式会社)

課題番号 :S-20-OS-0002
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :光バイオセンサの研究
Program Title (English) :Development of optical biosensors
利用者名(日本語) :多田啓二,河尻武士,梶祥一朗
Username (English) :K. Tada, T. Kawajiri, S. Kaji
所属名(日本語) :古野電気株式会社
Affiliation (English) :Furuno Electric, Co., Ltd.

1.概要(Summary )
光導波路型バイオセンサを利用した簡易迅速な免疫測定機器の研究開発を行っている.本年度は作製したチップの感度が,実験とシミュレーションで整合するか確認した.ここで導波路センサには,伝搬層として金属酸化物を蒸着しており,金属酸化物の膜厚が感度に影響するため,膜厚の評価が欠かせない.金属酸化物の膜厚を測定するため,大阪大学ナノテクノロジー設備共用拠点の設備を利用したので報告する.

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
接触式膜厚測定器

【実験方法】
まず,作製したセンサチップの伝搬層の膜厚を接触式膜厚測定器で測定する.次に,接触式膜厚測定器による測定結果の値を用いて,センサチップ表面上の屈折率変化量と,得られるシグナル量の関係を計算する.光学実験により,屈折率変化量と得られるシグナル量の関係を求め,シミュレーション結果と一致するか確認する.

3.結果と考察(Results and Discussion)
実験では2つの屈折率の異なる溶液①,②をセンサチップ上に導入し,得られるシグナル量を測定した.そのときの実験結果をFig. 1に示す.2つの溶液によるシグナル量の変化が1.5~2程度であることが分かる.ここで,接触式膜厚測定器で得られた膜厚から計算したシグナル量の変化はおよそ2.7である.若干誤差はあるが,妥当な結果となった.

Fig. 1  Response from solutions ① and ②

4.その他・特記事項(Others)
大阪大学ナノテクノロジー設備共用拠点のスタッフの皆様に感謝申し上げます.

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし.

6.関連特許(Patent)
なし.

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