利用報告書
課題番号 :S-19-MS-1079
利用形態 :相互利用
利用課題名(日本語) :光照射ESR測定を用いた残光体の準安定キャリアの微細構造分析
Program Title (English) :Microstructure analysis of metastable carriers in afterglow material using
light irradiation ESR measurement
利用者名(日本語) :岩崎 謙一郎
Username (English) :K. Iwasaki
所属名(日本語) :東京理科大学大学院基礎工学部
Affiliation (English) :Faculty of Engineering, Tokyo University of Science
1.概要(Summary )
夜光塗料などの用途で利用されている残光性蛍光体は数秒~十数時間という極めて長い発光寿命を示す。その原理は励起キャリアが準安定中心に捕獲され、熱励起によって徐々に解放されるためと考えられているが、その詳細なメカニズムは明らかになっていない。本研究においては紫外光照射によって励起・蓄積されたキャリアの微細構造をESR測定によって評価・解析することを目的としている。評価試料には残光特性を有する単斜晶ZrO2を用いた。
2.実験(Experimental)
使用装置:電子スピン共鳴装置 (Bruker社製 E-500)
研究所が所有する光照射ユニットを用いて、光学窓から試料(極低温)に紫外光を照射し、ESR測定を行い、その温度依存性についても評価した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
極低温(4K)において紫外光を試料に照射することでシグナルの形成を確認し、シグナルの微細構造が温度上昇に伴って系統的に変化することが分かった。観測されるESRシグナルは複数種類から構成され、その温度依存性はそれぞれ異なり、準安定キャリアの解放プロセスとの相関が見られることから、今後この手法を用いて準安定状態の物理的な同定とキャリア捕獲・解放メカニズムの解明が期待できる。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし