利用報告書
課題番号 :S-16-NM-0045
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :免疫活性化分子の開発(T7エンドヌクレアーゼによるGカルテットDNAの分解の検討)
Program Title (English) :T7 endonuclease I digestion of DNA containing G quadruplex
利用者名(日本語) :FENATI Renzo Alesandro
Username (English) :FENATI Renzo Alesandro
所属名(日本語) :School of Chemical & Physical Sciences, Flinders University
Affiliation (English) :School of Chemical & Physical Sciences, Flinders University
1.概要(Summary)
T7 Endonuclease IはミスマッチのあるDNA、十字型DNA、ホリデイ構造もしくは分岐、ヘテロ2本鎖DNAを認識して切断する酵素である。本酵素がヒトテロメア破裂中に存在するグアニン四重鎖構造であるGカルテット構造(Fig.1)を認識し、切断できるかどうかを検討した。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
PCR装置
ゲルイメージャー
微量分光光度計
【実験方法】
Gカルテット構造(G-quadruplex; G4)を形成するようにオリゴデオキシリボヌクレオチド(オリゴ)を設計した。G4オリゴを50mM NaCl, 10mM Tris-HCl, 1mM DIT pH 7.9に溶解し、T7 Endonuclease Iを加えて37℃でインキュベートすることにより酵素反応を進めた。その後、EDTAを加えることにより反応を停止し、ポリアクリルアミドゲルを用いた核酸電気泳動によりG4オリゴの分解を調べた。
3.結果と考察 (Results and Discussion)
T7 Endonuclease Iはミスマッチ配列を有する二本差DNAは分解するが、G4オリゴは分解しないことが示された (Fig 2)。また、G4オリゴの5‘末端にミスマッチとなるように直鎖DNAの配列を添付したところ、T7 Endonuclease Iにより分解された。このことから、G4オリゴはT7 Endonuclease Iにより分解されないこと、またその阻害能は無いことが示された。T7 Endonuclease Iは一塩基変異を認識し切断することから、一塩基変異の検出に用いることができる。構造制御が可能なG4オリゴと組み合わせることにより、新たな一塩基変異の検出系が構築できることが示唆された。
4.その他・特記事項(Others)
競争的資金名:NIMS国際連携大学院制度
指導教官:Prof. Amanda Ellis, Flinders University
共同研究者:NIMS機能性材料研究拠点ナノメディシングループ 主幹研究員 山崎智彦
技術支援者:竹村太郎、李香蘭、森田浩美
装置の操作の指導を受けたほか、実験方法についても相談した。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







