利用報告書

分子内光電荷分離の実用に向けたESIPT色素の合成と評価
宮本尚也1)、坂井賢一1)
1)公立千歳科学技術大学

課題番号                :S-19-CT-0019

利用形態                :機器利用、共同研究

利用課題名(日本語)    :分子内光電荷分離の実用に向けたESIPT色素の合成と評価

Program Title (English) :Synthesis and evaluation of ESIPT dyes for practical use of intramolecular photocharge separation

利用者名(日本語)      :宮本尚也1)、坂井賢一1)

Username (English)     :N. Miyamoto1)、K.Sakai1)

所属名(日本語)        :1)公立千歳科学技術大学

Affiliation (English)  :1) Chitose Inst. Sci. Tech,

 

 

1.概要(Summary )

 光励起によって分子内で電荷分離が実現する有機色素の開発を進めている。現在、Fig.1に示すフェノールにイミダゾール環を2つ連結したESIPT型色素(2,4-ImP)において、光照射によるベタイン構造の生成に由来すると思われるフォトクロミズムの観測に成功している。その反応モデルを検証するため、重窒素化した色素を合成し、15N-NMR測定により、ベタイン構造の同定を試みた。

2.実験(Experimental)

 重窒素化した2,4-ImPをCDCl3に溶解させ、NMRにて光照射前、光照射後の15N-NMR測定を行った。

 

利用装置:超伝導核磁気共鳴装置(NMR)

3.結果と考察(Results and Discussion)

 Fig 1 及び Fig 2に15N-NMRの測定結果を示す。グラフ中の250ppm付近に存在するピークはプロトン化されていない窒素を表しており、160ppmから180ppmのピークはプロトン化されている窒素を表している。

Nondecouple条件下での光照射前後の15N-NMRスペクトルを比較すると、光照射前は両者の波形が似ていることから、プロトン化されている窒素とされていない窒素が同量存在していると考えられるのに対して、光照射後のスペクトルはプロトン化されていない窒素のピークがシャープに変化していることに加えて、プロトン化されている窒素のピークが1つ増えていることが確認できることから、分子内の窒素が1つプロトン化されたと考えられる。これらの変化は仮説の反応モデルを支持している為、2,4-ImPは光を照射することでベタイン構造を生成している可能性が高いと考えられる。

4.その他・特記事項(Others)

参考文献:V.G.Machado,et.al.,Pyridinium N-phenolate Betaine Dyes, Chem.Rev.,2014,114,10429

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

(1) N. Miyamoto, K, Sakai, K. Kawano and T. Akutagawa 化学系学協会北海道支部2020年冬季研究発表会 2020年1月28日

6.関連特許(Patent)

なし。

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