利用報告書

半導体量子ナノ構造における量子輸送現象の研究
木山治樹,塩谷広樹、中川智裕、深井利央、酒井裕司、林亮太、茶谷知樹、田中萌、藤田高史、福田源希、松本雄太、木戸陽一、井手西広樹
大阪大学産業科学研究所

課題番号 :S-18-OS-0025
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :半導体量子ナノ構造における量子輸送現象の研究
Program Title (English) :Study of quantum transport phenomena in semiconductor nanostructures
利用者名(日本語) :木山治樹,塩谷広樹、中川智裕、深井利央、酒井裕司、林亮太、茶谷知樹、田中萌、藤田高史、福田源希、松本雄太、木戸陽一、井手西広樹
Username (English) :H. Kiyama, H. Shioya, T. Nakagawa, R. Fukai, Y. Sakai, R. Hayashi, T. Chatani, M. Tanaka, T. Fujita, G. Fukuda, Y. Matsumoto, Y. Kido, H. Idenishi
所属名(日本語) :大阪大学産業科学研究所
Affiliation (English) :The Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University

1.概要(Summary )
 我々は半導体量子ナノ構造における輸送現象解明を目的として研究を進めています。今年度の機器利用では、二次元半導体材料として知られる遷移金属ダイカルコゲナイドの一種であるWSe2を原子数層程度までに薄膜化した試料を主な研究対象としました。原子層程度の厚みを持つWSe2は、層数やドーピング程度等を反映したラマンピークを示す事が知られています。この為、ラマンスペクトラムの解析から試料の特性評価実施が可能になります。
 半導体ナノ構造における量子輸送現象研究全体の研究計画中での位置付けとして、試料作製準備作業をレーザーラマン顕微鏡の利用によって実施しました。

2.実験(Experimental)
S19 レーザーラマン顕微鏡
 化学気相輸送法によって合成されたWSe2片を粘着テープの粘着面同士の間に閉じ込み、それの開閉を繰り返す事によってWSe2の薄膜化させました。薄膜化したWSe2をSi/SiO2基板表面へ軽く押し付ける事で転写を行い、原子層程度の厚みを持ったWSe2試料を得ました。原子層程度に薄膜化されたWSe2は光の透過性を有するので金属的な光沢を示さず、半透明な色彩を示します。これを手掛かりに、原子層程度の厚みのWSe2を大雑把に判別しました。
 得られた原子層薄膜の素性を把握する為に532 nmレーザーを試料へ入射させ、観測されたラマンスペクトラムの解析を通じ試料の特性評価を行いました。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 先行研究で得られた知見を参考にして、ラマンピークの観測結果を解析しました。原子層厚みの層状物質では層数に応じて特性が異なる事が知られていることから、実験試料の層数を把握する事は非常に重要です。この観点から本報告では試料の特性評価の一例として、1層あるいは2層WSe2の同定を挙げます。
 1層WSe2 flakeと2層WSe2 flakeの区別の為には、B12gモードと呼ばれる数層WSe2に固有のラマンピークを用います。原子層厚みである事は、AFM観察でも確認が可能で、複数の手法を組み合わせてより正確に層数評価が可能になります。
 我々は輸送現象の研究を最終目的として、試料の素性を正確に把握する為の一判断基準としてレーザーラマン分光という手法を採用し、2次元層状半導体の試料作製の補助としました。これによって、試料作製を行うことの助けになりました。

4.その他・特記事項(Others)
なし。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) H. Shioya, K. Tsukagoshi, K. Ueno, A. Oiwa, 応用物理学会第79回秋期学術講演会, 平成30年9月18日

6.関連特許(Patent)
なし。

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