利用報告書

各種ポリマー分析
江本 克也, 家根 武久
株式会社 ティー・エヌ・シー

課題番号 :S-15-NU-0022
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :各種ポリマー分析
Program Title (English) :Analysis of many kinds of polymers
利用者名(日本語) :江本 克也, 家根 武久
Username (English) :K. Emoto, T. Yane
所属名(日本語) :株式会社 ティー・エヌ・シー
Affiliation (English) :TNC, Co., Ltd.

1.概要(Summary )
樹脂製品開発・生産における個別課題について、化学的分析から有効な知見を得るために取り組んだ。
①2点の樹脂ペーストの組成分析により、材料の取り扱い注意点の再確認を行った。 
②内面にフイルムを貼った製品充填を行う容器について、同一製品内で耐溶剤性の差異が確認されたため、内面フイルムの組成分析により、耐溶剤性の差異の要因解析を行った。

2.実験(Experimental)
①サンプルをヘキサンへの溶解性の差を利用して分離を行った。得られた不溶部/可溶部それぞれおよび分離前のサンプルについて、Agilent社のNMR(UNITY INOVA500)での1H,13Cおよび二次元NMR(COSY, DOSYなど)、JASCO社のFT-IR(680 Plus)により組成分析を行った(測定溶媒:CDCl3、 測定温度:室温)。
②容器内面フイルムを削り取って得たサンプル片をAgilent社のNMR(UNITY INOVA500)での1Hにより組成分析を行った(測定溶媒:CDCl3/CF3COOH、 測定温度:室温)。

3.結果と考察(Results and Discussion)
①1点目の樹脂ペーストは、ヘキサン不溶部のスペクトルより1種のウレタン結合を含むポリマーとヘキサン可溶部のスペクトルより2種のアクリル系モノマーからなり、通常取り扱い可能な組成であった。2点目の樹脂ペーストはヘキサン不溶部のスペクトルよりウレタン結合を含むポリマー成分と複数のアクリル系モノマーからなり、アクリル系モノマーの中に取り扱に注意が必要なヒドロキシエチルメタクリレートが含まれていた。
②耐溶剤性の良/不良の容器について、上部・下部・側面の組成を確認したが、いずれも組成は同等で、少量の別成分を共重合したポリエチレンテレフタレートであった。耐溶剤性の差異はフイルム組成ではなく、分子の配向や分子量など他の要因によるものと考えられる。

4.その他・特記事項(Others)
①、②の分析および技術支援でご対応頂いた名古屋大学 分子・物質合成プラットフォームの坂口特任教授、近藤様、伊藤様に感謝いたします。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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