利用報告書
課題番号 :S-16-NM-0080
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :各種素材の形状に関する研究
Program Title (English) :Study on shape of various materials
利用者名(日本語) :渡邉 誠
Username (English) :Makoto Watanabe
所属名(日本語) :キッコーマンバイオケミファ株式会社 企画開発部
Affiliation (English) :Planning & Development Department, Kikkoman Biochemifa Company
1.概要(Summary)
化粧素材や食品素材は溶解性だけでなく、打錠性、分散性など製品形態や用途に応じて適切な粒子径や溶解性が選択される。また安全性の観点から溶媒は極力使用しない製法が好まれる。そのため、本研究では、化粧素材や食品素材として用いられる多糖類について、溶媒を用いた製法による乾燥粉末(1)と、溶媒を用いない製法による乾燥粉末(2)を作製し、粒子径や溶解性に違いが生じるか調査することを目的とした。
化粧素材および食品素材として利用されている4種の多糖類について、(1)、(2)の粒子径の測定を行った。結果、(2)は(1)と比較して、各素材において粒子径の顕著な違いがなく、粒子径が小さくなる傾向が見られた。また、水への溶解性を比較したところ、(2)がより溶解性に優れている傾向にあった。
今後は、スプレードライの設定条件を変更することで、粒子径を変化させることができるかどうかを確認する予定である。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
・スプレードライヤー B-290(Buchi)
【実験方法】
(1) 溶媒を用いて乾燥粉末とした製法
・多糖類水溶液
↓ 溶媒
↓ 固液分離
↓ 真空処理
・多糖類粉末
(2) 溶媒を用いることなく乾燥粉末とした製法
・多糖類水溶液
↓ スプレードライ
・多糖類粉末
3.結果と考察 (Results and Discussion)
化粧素材および食品素材として利用されている多糖類A~Dを用いた。(1)、(2)のそれぞれの製法で得られた乾燥粉末の粒子径を測定した結果、製法(1)と比較して製法(2)の粒子径が小さくなる傾向が見られた。さらに、水への溶解性を比較すると、製法(1)と比較して(2)の方がより短時間で溶解した。これらの結果をTable.1に示した。Table.1より、粒子が小さくなったことに伴う表面積の増大が溶解性の向上に寄与したと考えられる。
Table.1 Result of each sample
製法 (1) (2)
試料 A B C D A B C D
粒子径(μm) 13 31 17 11 7 4 5 12
溶解性 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
◎:10分以内に溶解、○:20分以内に溶解
4.その他・特記事項(Others)
NIMS分子・物質合成プラットフォーム
竹村太郎様、李潔様より装置の使用方法について説明を受け、組立や分解作業を補助していただきました。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







